少し脱力してみようと気持ちを新たにする

何だか初夏を感じさせる一日だった。
どうにも今日はクラシック音楽っていう雰囲気じゃない。ここ数日、十数年ぶりに思い出してレニー・クラヴィッツを聴いているのだが、これが古くならずに実に良い。セカンド・アルバムなどリリースから20年以上経過しているにもかかわらず繰り返し何度も聴きたくなる「斬新さ」がある。これって凄いことなのでは・・・、なんて思う。
あの頃、武道館でレニクラのライブに触れた。そういえばパンフレットは残っているのだろうか?僕はコンサートに行けば大抵パンフレットは買うし、チケットとあわせて保管するようにしているからどこかにあるのだろうな・・・。

講義を終え、思ったこと。少し「無理をする」自分がいるということ。自分の方法論にこだわり過ぎているのかも。場所や年が変われば自ずと人も変わる。都度その状況にあわせて対処していかないと本当の意味での循環はあり得ない。少し脱力してみようと気持ちを新たにする。

そんなこんなで、先日から雅之さんにお借りしているDVDのこともあり、ひとつずつ順番に観ていかなきゃというプレッシャーもあり(笑)、シャルル・ミュンシュのものを取り出した。思わず引き込まれた。半世紀前の古びたモノクロ映像にも関わらず・・・。

リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ニコール・アンリオ=シュヴァイツァー(ピアノ)
シャルル・ミュンシュ指揮日本フィルハーモニー交響楽団(1962.12.20Live)

ミュンシュのブラームス1番は例のパリ管とのものをLP時代から擦り切れるほど聴いた。阿修羅の如くの火を噴くような終楽章コーダの壮絶な演奏は、日本フィルとのものにおいても健在で(ことによるとスタジオ録音よりすごい迫力かも)、よくもまぁあの当時の日本のオーケストラからこんな音が出せたものだとついつい感心してしまった。収録された映像の処理方法などはいかにも50年前というものだが、まったく鑑賞に堪え得り、時を忘れて久しぶりにブラームスの世界に入り浸ってしまった感じ(それに何よりミュンシュの指揮姿に熱さと同時に脱力が感じられる点がすごい。もう何十回、何百回も振っているという自負と余裕が垣間見られる)。
当時、僕はまだこの世に生を受けていない。そのこと自体がとても不思議なことなのだけれど、世界にはシャルル・ミュンシュのような音楽家がいて、しかも遥々極東のこの地まで訪れ、できたばかりの上野の文化会館で、音楽ファンの心を癒すような仕事をしていたんだと知るだけで真に幸せな気分。

「あの頃は良かった」なんていう文句は使いたくないけれど、こういう映像を目の当たりにするとその場に居れなかったことへの愚痴がついつい口から出てしまいそう。

ということで、やっぱり今夜はレニー・クラヴィッツに戻る・・・。

“What the … Are We Saying?”
“Field Of Joy”
最高!!


2 COMMENTS

雅之

おはようございます。

>あの頃、武道館でレニクラのライブに触れた。

武道館は、岡本さんが生まれた1964年に、東京オリンピックの会場として開館しているんですよね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%AD%A6%E9%81%93%E9%A4%A8

東京文化会館も武道館も、音楽ファンにとっては「聖地」と呼ぶに相応しいですね。

>「あの頃は良かった」なんていう文句は使いたくないけれど、

【温故知新】 過去の事実を研究し、そこから新しい知識や見解をひらくこと。(大辞泉)

Yesterday ( 武道館 July/1/1966) ) / The Beatles
http://www.youtube.com/watch?v=00XAix-JdDM&feature=related

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。

>東京文化会館も武道館も、音楽ファンにとっては「聖地」と呼ぶに相応しいですね。

ですね。The Beatlesの武道館ライブもいまや伝説ですね。

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