音楽の革新

少々酔っ払った。自転車で風を切って、だいぶ正気に戻ったけれど・・・。
人生とは酔狂なり。悲喜交々、たくさんの出逢いと交わりがあり、自分というものがオーソライズされる。「人間」という字の如く、人は他人との関係で成り立つもの。
本日、とある会の定例会にお招きを受け、クラシック音楽のナビゲーターを務めさせていただいた。パッヘルベル、J.S.バッハからショパン、リスト、そしてドビュッシー、ラヴェルに至る音楽史のダイジェスト。お話をしながら、そうして皆様のフィードバックを受けながらまたいろいろと勉強させていただいた。感謝。

J.S.バッハもショパン、リストも、ドビュッシー、ラヴェルも、彼らはいずれも「革新家」である。破壊と創造。表裏一体の概念を地で行く天才たちが彼ら。中でもドビュッシーの「天才」は今現在注目しているところ。遅まきながら、この大音楽家の作品に目から鱗状態・・・。
多分、こういう人たちに「恐れ」はない。人の目を気にするということもない。よって「勇気」という言葉は彼らの辞書にないはず。大したものである(天才と狂気は紙一重・・・)。

ドビュッシーのお陰で20世紀後半以降のポピュラー音楽の存在が許される。当時の人々にしてみればスキャンダルだったろう。そして、話題は急展開するが、そういう驚きをポピュラー音楽界にもたらした最右翼がエルヴィス・プレスリーであり、ビートルズなのだと再確認した。(つまり彼らは無意識にドビュッシーのイディオムを咀嚼し、彼らなりの新しいアイデアで勝負しているはずだと)
ビートルズの音楽は廃れない。芸術的レヴェルもさることながら、彼らの場合ビジネス的にも大成功を収めたところが偉大。いわば全脳的(全能的)芸術家がジョンであり、ポールであり、あるいはジョージであり、リンゴなのだ。

深夜だけれど、極小音量で久しぶりにファースト・アルバムを聴いた。すでに50年という時を経る。ひれ伏してしまいそう・・・。

The Beatles:Please Please Me

ロック・ミュージックの革新の産声たる”I Saw Her Standing There”。ここからすべてが始まったと言っても過言でない。ポールの絶叫が脳天に突き刺さる。そして、タイトル・ソングのジョンの歌声の清々しさと鮮烈さは未だに現役と言って良い。何より不滅のメロディ・ライン!!
ラスト・ナンバー”Twist And Shout”はもはやビートルズの「古典」。古い音楽を再生する技術にも彼らは長けていた。「音楽の申し子たち」なのである。

とはいえ、西洋古典音楽の源流はバッハにある。ビートルズも結局はバッハにつながる。バッハを聴かずして音楽は語れず。

昨晩、ふとYoutubeでいわゆる”Rooftop Concert”を久しぶりに観た。感動的。ビートルズは基本ライブ・バンドなんだと再確認した次第。
音楽はジャンルを問わず「生」で聴くべし。


2 COMMENTS

みどり

音楽の勉強を始めた頃、ポール既に「Wingsの人」。
「レノン&マッカートニー作曲」が何を意味するのかを知ったのは
中学生になってからでした。
それを知らずに弾いている…という無知さ加減に自覚もなく。
子供ゆえの蛮行とはいえ、思い出すとやはり恥ずかしいですね。

ジョンが好きだったという「青い影」はJ.S.バッハのコード進行が下敷と
されますが、プロコル・ハルムはプログレの先駆とも言われますから
クラシックを勉強せずに洋楽を語るのは無理なのだと思います。

高2の時、普段快活でバロック音楽の話で盛り上がっている担任が
教室に入って来るなり泣きそうになりながら
「ジョン・レノンが死んだんだ。お前らにはわからないだろうけど…」

音楽は「生」で、できれば「オン・タイム」で聴ければいいのですが
なかなか難しいところでもありますね。
だから必死で追い駆ける。

岡本さんのブログに出逢って、自分がこんなに音楽好きだったかと
改めて気付きました。
深く感謝しております。

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岡本 浩和

>みどり様
おはようございます。
みどりさんとは全く同年ですね。ジョンが死んだとき僕も同じく高校2年生でした。
当時僕はビートルズについてはほとんど無知で、翌日だったかビートルズ好きの仲間が落胆し、しばらくその話題で盛り上がったことを思い出します。しかしながら、どこの局だったか忘れましたが、ジョン死去のニュースのBGMが”Yesterday”だったことには吃驚しましたけれど(笑)。

>だから必死で追い駆ける。

ほんとにそうですね。
僕はクラシックにおいてもものすごく後悔がたくさんあります。
80年代、まだ学生だった頃、無理してでもいけば良かったという指揮者やピアニスト、ヴァイオリニスト数多です。

>クラシックを勉強せずに洋楽を語るのは無理なのだと思います。

同感です。どんなジャンルもおざなりにはできません。つながってますから。

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