実際のところは海より大地じゃの

ようやくインフルエンザが去った様子。
明日から通常通り活動を再開する予定。とはいえ、数日間の「引き籠り生活」のせいか(笑)頭と心がワサワサして落ち着かない。何というか一点集中できないというか。
音楽を聴いても何も浮かんでこない。試しに、ワイセンベルクがカラヤン&ベルリン・フィルと演った「皇帝」を聴いたけれど。冒頭1分を聴いて止めた。ダメだ、これは。
ミシェル・コルボのシューマン「ミニョンのためのレクイエム」。
嗚呼、この名曲が・・・、今日は響かぬ。では、ぐっと時間を過去に戻してセクエンツィアの「ヒルデガルト・フォン・ビンゲン」ボックスを。これは良い。何も考えずにひたすら清澄な音に浸れるから。5枚目の”Canticles of Ecstasy”は良かった。でも、3枚目の”Ordo Virtutum”を聴いて興醒めした。なるほどこれは芝居だったか・・・。道理で「うるさい(?)」はずだ。
何と・・・、思考がまとまらない・・・。音楽を受け付けない日というのもあるものなのか。

少し外に出た。iPodでGenesisを聴いた。今更ながら”Selling England By The Pound”は最高傑作だと思い知った。特に、”The Cinema Show”は大変な名曲だ。そのままラストナンバー”Aisle Of Plenty”に引き継がれ、これがまた”Dancing With The Moonlit Knight”のRepriseとして機能し、アルバム全体の後奏の役割も果たす。ガブリエルの声色を変えての変幻自在のヴォーカルもどのアルバムより堂に入る。

Genesis:Selling England By The Pound

Personnel
Phil Collins (drums, percussion, vocal)
Michael Rutherford (12-strings, bass, electric sitar)
Stephen Hackett (electric guitar, nylon guitar)
Tony Banks (keyboards, 12-strings)
Peter Gabriel (vocals, flute, oboe, percussion)

歌詞が意味深い。

Take a little trip back with father Tiresias,
Listen to the old one speak of all he has lived through.
I have crossed between the poles, for me there’s no mystery.
Once a man, like the sea I raged,
Once a woman, like the earth I gave.
But there is in fact more earth than sea.

ギリシャ神話に登場する盲目の預言者テイレシアスは、9年ごとに女性になったり男性になったりするらしいのだが、そのテイレシアスと小旅行をして、彼の生き様を聴いてみたのだと。

「わしはな、世界中を渡り歩いてきて、知らないことはひとつもないんじゃよ。
ある時は男になって、海のように荒れ狂い、ある時は女になって大地のようにすべてを包み込み、奉仕したんじゃ。じゃが、実際のところは海より大地じゃの」

なるほど、男も女も経験して女の方が深いということですか・・・(笑)。単なる恋愛のメタファーとして捉える向きもあるが、僕は違う。現代にこそ相応しい啓示。
これからの時代は間違いなく「女性の時代」。厳密には女性性の愛によって救われる時代だということ。それにしても、楽曲後半のPhilのドラムは本当にすごい!!

Phil CollinsとBill Bruffordのツイン・ドラムが聴ける1976年のツアー映像は見もの。
Gabriel時代のライブ映像はもっと見もの。

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