ピノックのバッハとグリモーのバッハ

東京に戻った。
富士五湖付近に比べさすがに空気は重い。都会の喧騒、人ごみ・・・。人は自然と対峙し、共生することが不可欠で、それによって心身の安定が得られるものなんだとあらためて確認する。

とはいえ、昨晩は緊張のあまりかあまり熟睡できなかった。早々と目覚め、早朝の山中湖畔を散歩した。靄がかかって富士山は見えなかったけれど(その後1,2時間して靄が晴れ見えた)とても気持ち良かった。

若人とも親和をした。あっという間に時が経過した。正味22時間の長丁場を、自分と他人に向き合った彼らの素直さと前向きさに感激した。愉しい素敵な空間だった。

明日はいよいよすみだ学習ガーデンさくらカレッジ早わかりクラシック音楽入門講座第3期の初回。天気は何やら台風並みの荒れ模様だという噂だけれど、果たしていかに・・・。
バッハの傑作いくつかを鑑賞し、バッハについて語る。小難しい話は抜きにして、とにかく音楽を共に堪能する、そういう素敵な2時間にするつもり。

ということで、今宵もヨハン・セバスティアン・バッハ。バッハを聴くと、冒頭の「人は自然と対峙し、共生することが不可欠で」という想いがなおさら強くなる。
彼の音楽は宇宙、あるいは自然そのものだ。

J.S.バッハ:
・チェンバロ協奏曲第1番ニ短調BWV1052
・チェンバロ協奏曲第2番ホ長調BWV1053
・チェンバロ協奏曲第3番ニ長調BWV1054
トレヴァー・ピノック指揮イングリッシュ・コンサート

かれこれ30年近く前だろうか、バッハの音楽に真面目に触れた。しかもそれはピリオド楽器による演奏だった。管弦楽組曲やブランデンブルク協奏曲は古楽器奏法に多少の違和感を覚えたのに、このチェンバロのための協奏曲集に関してはどういうわけかとても惹かれた。ニ短調協奏曲の冒頭のオーケストラ提示部の鮮烈な音楽はいまだに僕の心を揺さぶる。

ところで先日、YouTubeでこのニ短調コンチェルトを弾き振りするエレーヌ・グリモーの映像を観た。言葉にならない衝撃・・・。憑りつかれたようにピアノに向き合うグリモーの壮絶な、まるで求道者のような姿勢に釘付けになった。
とにかくグリモーの実演に早く触れてみたい。願わくばバッハのコンチェルト・・・。


4 COMMENTS

ふみ

岡本さん、グリモーブームですねぇ(笑)
この間来たばかりだから今年はもう来ないですかねぇ…来年に期待。

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ふみ

実家から色々とグリモーのCD持って帰って来たら良かったっす。
でも、今回は他のオススメがありますのでそれを(笑)

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