The Beatles:On Air – Live at the BBC Volume 2を聴いて思ふ

beatles_live_at_the_bbc_2残念ながら、諸事情によりポール・マッカートニーの来日公演に立ち会えなかった。
東京ドームの音響が云々などと御託を並べたものの実は負け惜しみ。本当はとても行きたかった。

ただし、おそらくだいぶ衰えているであろうポールの歌を聴くに忍びなかったという思いもあるにはある(あくまで僕のイメージ。技術を超えたパフォーマンスであったろうことも想像できるから)。音楽をする人の年齢による衰えは表面上如実に表れる。しかし、その分味わいが深くなるのも確か。かつての勢いのある歌唱を目の当たりにしたいのなら単に録音を繙けばよいのであって。その時代の空気と、刻まれた年輪の深さと、「今」でしか知ることのできない「何か」が必ずあるのだからやっぱり実演というのは逃せまい。特に、音楽という時間芸術に限っては。

渇きを癒すために来日記念でリリースされたビートルズの”Live at the BBC Volume 2”を聴く。50年前の4人の、何とも一体感のある演奏はビートルズの真骨頂。様々な音楽的挑戦を試み、あっという間に時代を駆け抜けた彼らの「最初」は何と瑞々しかったことか!!
もちろん後期の、スタジオに入ってからのほとんど隠遁芸術家的センスの名曲たちも魅力的なのだが、それでも初期のパッショネートでエネルギッシュな作品群に彼らの本領を僕は見る。4人の奇跡、ここにあり。

The Beatles:On Air – Live at the BBC Volume 2

Personnel
John Lennon
Paul McCartney
George Harrison
Ringo Starr

1963年1月22日から1964年11月25日にわたっての録音。ちょうど僕が生を得た時期をまたぐものだからとても感慨深い。生後数ヶ月の記憶がいくつもある僕にしてみると、あのシーンを見たあの頃に遠く離れた英国の地でジョンとポールと、ジョージとリンゴがこういう活気のあるパフォーマンスを繰り広げていたことに不思議な感銘を受けるんだ。

例えば、“If I Fell”や”And I Love Her”など、アルバム”A Hard Day’s Night”に収録される諸曲が実にライブならではのテンションで演奏される様に心躍る。極めつけは”I’ll Follow The Sun”!!!当時22歳のポールの声の若々しさ。そして、ジョンとの見事な溶け合うハーモニー。
ある意味絶頂だった4人の類稀なパフォーマンス・・・。

 


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