運動音痴?!

wagner_matacic1.jpg昨晩は10数年ぶりにボーリングというものをやってみた。歌舞伎町で旧知の仲間たちが忘年会をやっていると聞き、少々遅れて合流。宴終了後、そのままコマ劇近くのボーリング場になだれ込んだ。すっかりルールなどは忘れてしまっているものの、感覚的には意外に健在、スコアも105と、この年齢でしかも運動音痴の身としては随分健闘した方だろう。それにしてもスポーツ、それも「球」を扱う団体競技は昔から大の苦手で、中学生の頃は部活をいかにサボるかばかり考えていたことを思い出す。もちろん高校の時はクラブ活動には属さず、いわゆる「帰宅組」。勉強しなければいけないので部活などやってられないなどと態のいい言い訳をつけて、結局は運動というものから逃げていた自分に今さらながら気づく。青年期のいわゆるスポーツ活動を通して人間は人間関係や目標達成などを学んでいくものだから、大事な時期に大事なことをやってこなかったことは僕自身の大きな欠点として後々随分尾を引いた。
例えば、目上の人たちへの接し方。あるいは明確な目標を設定し、それに対してとことん固執してやり遂げるということ。ちなみに、個人として「目標」を決め、成果を挙げることは極めて得意。それがチームをまとめるとなると勢い苦手になるのだから、マネージャー向きではないのか・・・。

とはいえ、そういう人間が組織活性化や人間関係構築力についてセミナーを開いているのだから面白いものである。ともかく大学を卒業してから20年近くはほとんど丁稚奉公の如く、人間教育の原点を仕事を通じながら学ばせていただいたようなもので、僕自身も「行動」が大幅に変わったし、何よりも人間についての体感的知識が格段に増え、人との関係をいかにスムーズに作り上げるかがよくわかったので、本当にこの期間は貴重だったと振り返り、感謝している。

ワーグナー:
歌劇「リエンツィ」序曲
楽劇「トリスタンとイゾルデ」~第1幕前奏曲とイゾルデの愛の死
楽劇「神々の黄昏」~ジークフリートのラインへの旅
同~葬送行進曲
同~ブリュンヒルデの自己犠牲
ロバータ・ニー(ソプラノ)
ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮ザグレブ・フィルハーモニー管弦楽団

年末のこの時期になるとどうもワーグナーが聴きたくなる。
どっしりと地に足の着いたマタチッチのワーグナーはいつ聴いても感動的。この音盤はおそらく既に廃盤のように思われるが、ともかくライブ感満点の傑作録音。特に「神々の黄昏」からの数曲はクナッパーツブッシュやフルトヴェングラーのそれと比較して決して劣らない。こういう実演に接してみたかった。

それにしてもマタチッチの熊のような体躯はさながら「運動音痴」のよう(笑)。しかし、音楽を志す人たちは一方でスポーツ万能のようだから、マタチッチ先生も意外にすばしっこかったのかもしれない。少なくとも晩年の映像からは想像しかねるが・・・。


3 COMMENTS

雅之

ご紹介のマタチッチのワーグナー、最高ですね。やはり彼は一昔前の、真の巨匠だったのだと思います。
ところで、マタチッチ&N響の1960年代のライヴ録音のCDが昨年末キングレコードから出たじゃないですか。
N響は今も昔も嫌いだし、レコ芸の評を読むと、回転ムラやピッチの高いものも含まれているようで迷ったんですが、思いきって2枚買ってみました。
ベートーヴェン 交響曲第9番『合唱』
(1966年12月29日、東京厚生年金会館 )
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2772409
チャイコフスキー:交響曲第6番『悲愴』
(1967年1月13日、東京文化会館)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2772414
いやー、これは買ってよかった です!彼らしいスケールの大きな名演です。『悲愴』の方は元テープの痛みが少し目立ちますが演奏の凄い迫力に全然気になりません。ピッチの件もこの2曲では、それほど気になりませんでした。
ところで、私はCDを聴く最大の楽しみは、録音された日時にタイムスリップできることだと思っています。
この2曲が演奏された当時、私は4~5歳の鼻たれ小僧でしたが、初代ウルトラマンが放映されていました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%B3
深海怪獣グビラや、冷凍怪獣ギガスや、彗星怪獣ドラコや、どくろ怪獣レッドキングや、怪奇植物スフランや、古代怪獣ゴモラが登場していたころでした(特技監督の高野宏一さんも先頃亡くなられましたね、合掌)。
N響の『悲愴』といえば、カラヤンの初来日の1954年4月21日の日比谷公会堂ライヴ録音のCDもあり、カラヤンの数多いこの曲の録音の中では最も純真さが感じられ好きです(モノラルですが管楽器などの分離が鮮明で意外に録音はよいです)。当時のN響も健闘しており、そのひたむきさに好感が持てます。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/837046
この演奏の行われた1954年といえば、私の生まれる相当前ですが、そう、ゴジラが初めてスクリーンに登場した年でした。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2640736
ゴジラに壊される直前の、あの街並みの東京で演奏していたんですね(笑)。

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岡本 浩和

>雅之様
キングから出たマタチッチのシリーズは未聴です。
そうですか。やっぱりいいですか!
欲しいCD、聴きたいCDは山とあるんですが、それを追求し出すとキリがなくて、マタチッチもここのところ追求休止状態でした。
雅之さんに薦められるとついつい手が出そうになってしまいます。
>CDを聴く最大の楽しみは、録音された日時にタイムスリップできることだと思っています。
同感です。僕などは2歳か3歳の頃ですね。だから、ウルトラマンもおそらくオンタイムでは見れてないはずです。自分がまだクラシックの「ク」の字も知らなかった頃、世間ではこういう音楽を堪能していた人々がいたのかと想像すると面白いですよね。
>N響の『悲愴』といえば、カラヤンの初来日の1954年4月21日の日比谷公会堂ライヴ録音のCD
さすがは雅之さん。こういうのもしっかり聴かれているんですね!残念ながら、僕はこれも聴いておりません。

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雅之

すみません。
見出しにはある岡本さんのコメント、どこかに飛んでませんか(笑)??
気になります(笑)

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