ちょっと早い、ゆく年くる年

schuricht_mozart_linz.jpg今年は暗いニュースが多かった。アメリカ発の金融危機の影響をもろに被り、企業の倒産が相次いだ。僕の身の周りでもそういう目に遭った友人がいるわけだから、その深刻さは計りしれないものなのだろう。とはいえ、街中を散策してみると、例年と変わりない歳末風景が目に飛び込んでくるし、デパートの食品売場などもそこそこの活況を呈しているように見え、何だかメディアに踊らされているだけなのではないかという疑念も湧いて出て来る。
「不況」という言葉、「解雇」という言葉。新聞やテレビで目にする言葉はそういったものばかり。そのおかげで皆が将来に対して不安になっている。しかし、未来のことなど神様以外誰にもわからないことなのだから、余計な心配は隅っこに置いておいて、ともかく今を一生懸命生き、できることを気楽に前向きに積み上げていったほうが生きやすい。生来「暢気」気質で、「まぁ、何とかなるだろう」というのが僕の口癖だが、焦らず着実にをモットーにがんばろう。こういう時代は逆にチャンスなのだから。

年を追うごとに時間の経過が早くなる。気がつけば今年もあと2日。過去の反省や回顧もそれなりに意味はあると思うが、どうせなら未来に向けての抱負を認めた方が良いだろう。

今年は、東京と名古屋で数回ずつ「ワークショップZERO」を開催させていただいた。1回あたりの受講生はわずか数名に過ぎないが、後日談をそれぞれから聴くと、それぞれに変化が訪れ、そして間違いなく正しい方向に動いていることが明らかで、ともかく微力ながら一人でも多くの方の助けになれたことが素直に嬉しい。たった2日間のワークショップにも関わらず、こういう結果をいくつも見せられると、20年という歳月をかけて手塩にかけてきたメソッドが確かなものだという確信が日毎に深まってゆく。ある人は「夫婦間の問題」に関して、ある人は「親子関係」に関して、別のある人はビジネス上の組織活性に関して・・・。都合20時間のワークによる体感的気づきと「関係の質」向上のためのヒントを教示することで人間対人間の間で生じる様々な問題が見事に解決できる。
来年も、名古屋で、あるいは福岡で開催し、一層たくさんの方々のお役に立ちたいと願ってやまない。

勇気を出して、生別れの父親と再会することで、頑なだった過去の囚われがみるみる溶解し、鍵をかけていた心の扉を自ら開いていくことで、相手の「善なる部分」を誘発する。モーツァルトの魔法。彼の音楽を聴く時、人は自らがもつ「優しさ」の部分に自ずと気づく。

モーツァルト:
交響曲第36番ハ長調K.425「リンツ」
交響曲第38番ニ長調K.504「プラハ」
カール・シューリヒト指揮パリ・オペラ座管弦楽団

シューリヒトによる奇跡のモーツァルト。北風吹きすさぶ2008年の歳末に一条の光と暖を与えてくれる「優しさ」の音楽、「リンツ」交響曲。そして、厳しい状況の中ですら未来に向かっての勇気を鼓舞する「プラハ」交響曲。いずれも不朽不滅の名演奏。


2 COMMENTS

たんの

明けましておめでとうございます。
本当にマスコミの不況報道はいきすぎですよね。
「これから良くなる!」という景況感が必要なのに・・・。
私自身はケ・セ・ラ・セ・ラ人間で、日々前向きに活動して
いれば何とかなると思っている派です。(B型の特徴?)
今年もブログ楽しみにしています!!

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おかちゃん

>たんのさん
あけましておめでとうございます。
僕もB型で、いつも前向き、というより「暢気」です(笑)。
何とかなりますよね。
こちらこそ今年もよろしくお願いいたします。

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