処女航海~未来は明るい!

hancock_maiden_voyage.jpgオバマ米新大統領の就任演説文から、力強く、前向きに国を引っ張っていこうとする決意が伝わってくる。こういう苦難の時代だからこそ、原点に帰り、ひとりひとりの国民が謙虚に「やるべきことをやる」という責任を持つことが大事であることを強調する。

そういえば、トヨタ自動車も創業家への大政奉還を決定、6月の株主総会後、豊田章男副社長が社長に就任することが発表された。こちらも「現場に一番近い社長」をモットーに「創業の原点に回帰し、時代の大きな変化を見据え、大胆な改革を肝に銘じたい」と決意を語る。

リーダーたるもの、いつ何時でも謙虚で誠実、そして勇気ある行動を「自然体」でできなければならないと僕は思う。それは決してトップひとりの責任ではない。オバマ大統領が言うように、本当に地球上に住む人類ひとりひとりが「できることを一生懸命にやり切り」、皆で幸せになろうと気持ちを一つにすることが大事だと思うのだ。アメリカ合衆国に限らず、2009年1月20日というのは、まさに歴史的転換点にあたる日であってほしいと思う。

黄昏時、ふと耳にする音楽。ひとり孤独にグラスを傾けながら聴くに相応しい歴史的名盤。そして、タイトル通り、このアルバムの主人公は「処女航海」に出発し、「台風の目」に遭遇し、苦難と闘いながらも最後は「イルカたちと輪舞」する。

Herbie Hancock:Maiden Voyage

Personnel
Freddie Hubbard(trumpet)
George Coleman(tenor sax)
Herbie Hancock(piano)
Ron Carter(bass)
Tony Williams(drums)

いわずとしれた60年代Hancockの傑作。様々なジャズ・スタイルを生み出してきたHerbieも1965年当時は、これぞモダン・ジャズというべきアコースティックな様式の最前線にいた。発表から45年近くの年月を経ても、お洒落で高貴でセンス満点。1曲目のMaiden Voyageから5曲目のDolphin Danceまで、一部の隙もない。

今宵、渋谷のネパール料理レストラン「カンティプール」で友人の誕生パーティー。何人いたのか?ともかく滅法楽しかった。昨年夏頃に初めて会い、付き合いはわずか半年足らずに過ぎないが、彼も随分変った(もちろんセミナーは受講していただいたが)。感謝。

未来は明るい。


3 COMMENTS

雅之

おはようございます。
オバマの就任演説原稿、27歳のスピーチライターとの共同執筆とのことですが、地に足の着いた、見事なものでした。さすがです。
今回の岡本さんのブログを読んでいて、私の好きな郷土愛知県の英傑、徳川家康の遺訓を思い出しました。
「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。
不自由を常と思えば不足なし。こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。
堪忍は無事長久の基、いかりは敵と思え。
勝つ事ばかり知りて、負くること知らざれば害その身にいたる。
おのれを責めて人をせむるな。
及ばざるは過ぎたるよりまされり」

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
そう、スピーチライターは若干27歳の男性らしいですね。すごいです。
あと、徳川家康の遺訓、僕は知りませんでした。これも素晴らしいです。真理です。

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アレグロ・コン・ブリオ~第5章 » Blog Archive » Miles Davis:E.S.P.

[…] 極めて先鋭的で未来的な音。とても1965年に生み出されたとは思えない楽音。 ショーター作曲による1曲目タイトル曲からして確かにそれまでの「音」と違う。「音楽をする」という主観が抜けて、完成された客観性でもってただ「音楽」が鳴り響く。それを菊地氏は「魔術性」と表現したのかどうなのか、ともかく一部の隙もない完全な音楽が冒頭から繰り広げられるのである。 メンバーそれぞれの作曲能力の高さが顕著。ハービー・ハンコックの”Little One”など、同年に自身のリーダー作として録音した”Maiden Voyage”にも収録されており、聴き比べると面白い。マイルス・クインテットでは1プレーヤーとして機能し、あくまで音楽に奉仕する姿勢を崩さないのに対し、自身のクインテットにおいてはもっと遊びの要素を入れる。というより、過剰なまでの思い入れが音楽を一層粘着質にする。マイルス盤が日中に聴く音楽だとするならハンコック盤は夜更けの音楽だ。 […]

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