自由と解放

アンニュイな日にはアンニュイな音盤を。
ということで、久しぶりにフュージョン・アルバムを聴く。
チック・コリアがリターン・トゥ・フォーエバーを結成したデビュー・アルバム。
先日のビル・エヴァンス同様マイルス・グループの卒業生。

チック・コリア:「リターン・トゥ・フォーエバー」

モダン・ジャズからフリー・ジャズへの転換・・・。
60年代のフリーから70年代のポスト・フリーへ。

チックは語る。
「一般の人はフリーというと、全く解放されて騒音というかカオスというか滅茶苦茶なことをやるように誤解しているが、私はフリーという言葉は、美しきものへの選択、美しきものへの追及を目的としていると解釈している。(中略)リターン・トゥ・フォーエバーは私がハピネスとビューティーを追求する原点に立ち返ったという宣言なのだ。」

なるほど「美の追求」か。
解放すると滅茶苦茶になるのではなく、
逆に調和に返る。エントロピーの減少ですな。

そういえば、ここまで書いて「イティ・ハーサ」という少女マンガのことを思い出した。宇宙はもともと一つであった。それが爆発解放し、混沌に移り変わり、最終的には「今」の形が存続している。現在の「混沌」はひょっとするとそろそろ最期なのかもしれない。

「調和」、まさにそのことを表現した素晴らしいアルバムが、この音盤なのだ。すでにレコーディングから35年経過している。温故知新!

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1 COMMENT

アレグロ・コン・ブリオ~第4章 » Blog Archive » 時よとまれ、お前は美しい!

[…] 永遠を感じさせてくれる音楽たち。特に、初期のアコースティック作品を聴くと、足し算も引き算もいらない完成度に圧倒される。ロマンチックでメロディアスでありながら、前衛的な側面も負けじと顔を出す。そう、かつてショパンが葬送ソナタで表現したような、従来の方法論に従いながら果敢にチャレンジをし、そこに新たな独自性を付加する手法。マイルスからエレキ・ピアノを弾くよう命じられた時、相当な抵抗を見せたようだが時を経ずして自分のものにし、それをそのままバンドに適応、リターン・トゥ・フォーエバーにつなげてゆくという技量はやっぱり只者ではない。 […]

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