世界のイディオムは多様だ。
あらゆるものの影響を受け、人は進化、深化を遂げる。
世界を知らねば。
かつてイエスの前座を務めたグリフォン。その作風はトラッドに始まり、エレクトリック・キーボードの導入からプログレ・バンドとしての地位を固めてゆく。
いかにも英国的情趣に溢れるその音楽は、わかりやすい旋律と大らかな音楽性が魅力的。
グリフォンのオリジナル・メンバーであるリチャード・ハーヴェイがジョン・ウィリアムズのために作曲したギターのための協奏曲が美しい。
スペイン情緒を模倣しつつ、スノッブな英国的センスの垣間見える佳作。素敵だ。
特に、終楽章ラヴォルタの見事にテクニカルで、ラテン的な躍動と解放の音楽に心奪われる。
第1楽章アルボラーダは、夜明けの雰囲気を醸す。聡明かつ流麗な音調に支配される音楽は僕たちの英気を触発する。
また、第2楽章コントルダンスの愉悦。
第3楽章カンティレーナにおけるチェロの旋律の癒し、ギター独奏の哀感。そして、その対話の見事さ。
あるいは、第4楽章フォルラーナの郷愁。
遠く夢見る故郷を思い、人はあるとき踊り、あるとき沈思する。
言葉を持たない音楽が人に与える影響は計り知れない。
・リチャード・ハーヴェイ:ギターと小管弦楽のための古風な協奏曲(1995.4.12-13録音)
・スティーヴ・グレイ:ギターのための協奏曲(1989.5.5&8録音)
ジョン・ウィリアムズ(ギター)
ポール・ダニエル指揮ロンドン交響楽団
一方、アメリカン・ポップス黄金時代とジャズの洗礼を受けたグレイのギター協奏曲は、いかにも耳に馴染みやすい至高の作品。
第1楽章ダンシズの咆哮するオーケストラに対し、ギターはあくまで静かに、しかし抑揚つけてうねる。第2楽章ラブ・ソングズは敬虔な祈りだ。この濃密な音楽は、特定の誰かに捧げた文字通り「愛の歌」だろうが、クライマックスに向けてのエネルギーが聴く者を虜にする。そして、終楽章ジョークスにおいて、管弦楽の諧謔的な音調に対し、細かい動きを擁するジョンのギターはあくまで可憐な音楽を披露する。
私から逃げる?
ありえないことだ―恋人よ!
私が私であり、君が君でいる間は、
愛する私と嫌がる君、
この世に我々がいる間は、
一人が逃げ、一人が追いかける。
結局、私の人生は失敗かもしれない、
いかにもそれが私の運命らしい。
どんなに最善を尽くしても成功にはほど遠い。
だが目的を達成できないだけでそれが何だというのだ?
~ロバート・ブラウニング「愛に生きる」
独り善がりの恋。
そんなものは、本当は愛とは言うまい。
世界を広げねば。
ブログ・ランキングに参加しています。下のバナーを1クリック応援よろしくお願いいたします。
>独り善がりの恋。
>そんなものは、本当は愛とは言うまい。
愛ってよくわからないけど 傷つく感じが 素敵です(笑)。
>雅之様
それも愛の一つの形だと思います。(笑)
岡本様と生まれが近い薬師丸ひろ子(1964年6月9日 – )だったんだけどなあ、松本隆だし・・・。空振り深謝。
>雅之様
あーー、そっか、大瀧さんの曲じゃないですか!
失礼しました。
まったく気がつかなかった・・・。
もーしもここーろにけがーをしたなーら♪
大好きな曲なのに!
僕としたことが!!!(笑)