GDPの2桁減というのは35年ぶり、戦後最大の経済危機だという。つい先日読んだ新聞には、世田谷のある女性会社役員の街角インタビュー記事が掲載されており、「年収が大幅に下がったわけじゃないが、将来への不安から財布の紐が固くなる」というような内容が書かれていたと記憶する。
そう、今ほとんどの人が抱えているであろう「不安」。余裕がないとき、人は誰でも自身の身を守るために「自己防衛」に走る。その「防衛」が過剰になり、自分のことばかりを考える人が増えると、その組織は衰退化する。「景気」とはその字の如く「気」の問題。今の景況感は、日本国民の大半が、何となく「不安だから」お金を使わず貯めこもうという考えに至ることで、経済が機能不全に陥っているようなもの・・・。
とはいえ、そう簡単に未来への「不安」が消えるわけでもない。どうすれば「不安」でなくなるのか?答えは極めて単純。「今」を生きること。「今」を生きるとはどういうことか?自分を信じること。そして、自分のことだけを考えず純粋に人のために動くこと。
おお、信ぜよ。わが心よ!おお、信ぜよ。
失うものは何もないのだと!
~マーラー:交響曲第2番「復活」第5楽章
ようやく心身が復活。完全にデトックスされた感覚。軸を固め、心を鎮かにしてやるべきことをひとつひとつただやること。
・・・人間を動物に喩え、現代社会を揶揄したPink Floydの傑作「Animals」(1977年発表)を聴く。30年後の今を予見してこのアルバムを創ったのではないかと錯覚するほど彼らの詩と音楽は現代に通ずる。お見事・・・。
そして、「復活」を記念し(笑)、久しぶりにマーラー。
クリスタ・ルートヴィヒが歌う・・・
O glaube, mein Herz, o glaube
Es geht dir nichts verloren!
Dein ist, dein, was du gesehnt.
Dein, was du geliebt, was du gestritten!
おお、信ぜよ。わが心よ!おお、信ぜよ。
失うものは何もないのだと!
汝のもの-それは汝が望んだもの
汝のもの-それは汝が愛したもの、戦って来たものなのだ!
そして、バーバラ・ヘンドリックスが続く・・・
O glaube,: du wardst nicht umsonst geboren!
Hast nicht umsonst gelebt, gelitten!
おお、信ぜよ。汝がいたずらに生まれて来たのではないのだと!
いたずらに生を楽しみ、苦しんだのではないのだと!
クロプシュトックの「キリスト復活賛歌」を元に、マーラーがアレンジを加えた詩を最終楽章にもつ作曲者初期の傑作。高校生の頃、人生で最もマーラーに熱を上げていた頃、一番よく聴いた、そして一番好きだったかけがえのない音楽。かつてはブルーノ・ワルターが晩年にニューヨーク・フィルと録音した名盤を愛聴していた。しかし、今は聴くなら専らこのバーンスタインの新盤。作曲背景や音楽についてはこれ以上語るまい。未聴の方はぜひお聴きあれ。人類至宝の名盤なり。
おはようございます。
今の某国、とりわけ政治の世界は「自己防衛」というよりも、ほとんどナンセンス漫画(例えば『天才バカボン』)の領域になりましたね。
「未曽有(みぞうゆう)のアル中の渦中(うずちゅう)なのだ!」
「法案に反対の反対は賛成なのだ!これでいいのだ!!」
そういう国も楽しいかも!?
ところで、先日もお話いたしました、メンデルスゾーン・マスターワークス(30CD)、このところ珍しく集中して聴き込んでいます。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2872242
とりわけ興味深いのは、オラトリオの『聖パウロ』と『エリヤ』です。『聖パウロ』はメンデルスゾーンのユダヤ人としてのユダヤ教とキリスト教への想いの葛藤を色濃く感じさせます。また、『エリヤ』の題材は旧約聖書そのものです。どちらも大変な力作で、聴いていてこの2作品が彼の最高傑作といわれるのも納得できました。彼のオルガン曲はバッハとの関係性を感じずにはいられませんが、とにかくユダヤ人としての宗教上の屈折感は、メンデルスゾーンを考えるうえで、重大なテーマだと思います。
マーラーは24歳の時にベートーヴェンの『第九』と、この『聖パウロ』を指揮して指揮者として成功したといわれていますが、マーラーとメンデルスゾーンのユダヤ人としての精神的なつながりは、もう少し勉強してみたいです。
ブラームスのユダヤ世界との関係についても・・・。
>雅之様
おはようございます。ほんとに政治の世界はありえないですよね。見ていて腹が立ってきます。
メンデルスゾーンのマスターワークスまだ買っておりません。
ユニバーサルからも日本盤で何枚か発売されたじゃないですか!
こっちのほうも気になるんですよね。
「聖パウロ」と「エリヤ」、それにオルガン曲集はこっちの日本盤で手に入れようか、それともマスターワークスで一気に揃えちゃうか悩み中です(笑)。日本盤だと歌詞対訳もついているのでそれが魅力的でして。
>とにかくユダヤ人としての宗教上の屈折感は、メンデルスゾーンを考えるうえで、重大なテーマだと思います。
そうですね、それはとても興味深いテーマです。
>マーラーとメンデルスゾーンのユダヤ人としての精神的なつながりは、もう少し勉強してみたいです。
ブラームスのユダヤ世界との関係についても・・・。
同じくです。良い文献等あったらまたご教示ください。
自己防衛ですよね・・・確かに。
自己防衛をやっていると新しい情報が入ってこなくなるんですよね。
昨日、外をほっつきあるいていましたら31アイスクリームがありました。
オーストラリアから来た妹と一緒にいたのですが、“おねいちゃん、Baskin Robbins”
って何?と聞いてきたのでハッとしたのです。
31アイスクリームの看板には、たしかにBaskin Robbins と書かれており、29年間の人生で一度も目に入りませんでした。31アイスクリームは、31アイスクリームだが・・・
オーストラリアから来た妹には、英語の文字が脳に直結して伝わっていたという発見。
自分の見ている世界で、自分の心を防衛すればするほど情報も入ってこないんですよね・・・
どれほどの思い込みが脳の思考回路をブロックしているのか・・・と思いました。
ところでBaskin Robbinsってなんでしょう。調べてみます。
>Kevalaさん
おはよう。
人って見てるようで見てないし、聞いてるようで聞いてないんだよね・・・。「思い込み」って怖いです。特に人間関係の中ではトラブルの元。