人って意外に狭い世界でだけ生きている。特に、今いる環境に左右され、そこしか見えなくなっていることもままある。「情に篤い」人に限って、自分が何とかしなければとか、自分がいなければダメなんだくらいの意気込みで身を粉にして一生懸命に頑張ってしまう。「のりしろ」をもってうまく渡る分にはまだいいが、人によっては身体を壊すくらいまで自分のことを省みず、熱中してしまうこともあるのだから気をつけるべし。「情は人のためならず」とはよく言ったもの。
安部司著「なにを食べたらいいの?」(新潮社)を読んでいて、添加物で精製されたいわゆるサラダ油が身体に良くないのだと初めて知った。かつて日本人は油といえば、大豆やなたねを圧搾して作った「てんぷら油」(味がしっかりと濃くて、身体にいいビタミンEがいっぱい入っている)を主に使っていたのだが、重くて臭いという理由で多くの家庭が使用を止めてしまったということ。そのかわりに登場したのがサラダ油。搾った油の上澄みを取り、精製するからいくらでも量を摂取できる。同時に劣化も早いので、酸化防止剤も必要になる。そういえば、動物性の食材を使わない今日のようなときでもサラダ油が大量に必要な揚げ物などをたくさん食べると胃酸が上がってくるような「胃もたれ感」(昔「ほか弁」を食べたときに感じた違和感と同じ)を感じるのは、そのせいだったんだということに気がついた。たとえそれが植物性だろうと、結局油のとりすぎは健康に良くないということだ。
心身のデトックス。美味しい菜食料理をいただき、ピート湯にゆっく浸かり、そして「キパワーソルト」入りの塩水を一杯飲み干す。そして、音楽は久しぶりのツェッペリン。嗚呼、カタルシス。
1970年発売当初賛否両論を巻き起こしたレッド・ツェッペリンのサード・アルバム。ファースト及びセカンド・アルバムでハード・ロックの王者としてスターダムを一気に駆け上がった彼らが、彼らの本来目指す音楽、そしてその芸術性を世に問うべくリリースした、実は傑作。冒頭のImmigrant Songから早くもツェッペリン独自の世界に引き込まれ、2曲目のFriendsの何とも不思議な音感に流れるままにただ身を委ね、そしてCelebration Dayに至るや、もう彼らの「音」無くしてはいられないほどの中毒性をもつ、まるで麻薬のようなレコード。何度聴いても新しい発見があり、そして決して飽きない普遍性。単なるハード・ロック馬鹿でないことを誇示したこのアコースティック・アルバム(厳密には単なるアコースティック・アルバムではない。彼らの広くかつ奥深い音楽性が随所に溢れかえっている)は、レッド・ツェッペリンの歴史の中で極めて重要な位置に存在する。日中聴いてもよし。深夜に独り聴いてもよし。
おはようございます。
レッド・ツェッペリンの音楽には、東洋、特にインドを感じます。ジミー・ペイジが多用したDADGADの変則チューニングはアイリッシュ・トラッドでもありますが、私には、シタールのような極めてインド的音階に感じます。このアルバムの 「Since I’ve Been Loving You 貴方を愛しつづけて」などでも東洋的雰囲気を感じます。またロバート・プラントもインド人の女性と結婚していましたよね。彼もインド文化の影響を相当受けていますよね。
ジミー・ペイジやロバート・プラントも、ジョージ・ハリスン、コルトレーンのように、ラビ・シャンカールの影響を受けていたのでしょうか?
また、ジミー・ペイジのお父さんは空軍で横田基地にいたこともあるそうですが、ジョン・レノンと同じで、インドとともに、日本の文化の影響もあるのでしょうか?
西洋音楽の機能和声からの脱却志向と前衛音楽、東洋との融合、ビートルズもレッド・ツェッペリンもコルトレーンも武満徹も、私の中ではひとつの線上につながります・・・。
これ以上この件、語れません。やはり勉強不足です。
>雅之様
おはようございます。
勉強不足じゃないですねぇ。さすがよくご存知です(笑)。
おっしゃるように、東洋(インド)を感じさせる曲が多いですね。それがシャンカールの影響かどうか僕はわかりませんが・・・。
>西洋音楽の機能和声からの脱却志向と前衛音楽、東洋との融合、ビートルズもレッド・ツェッペリンもコルトレーンも武満徹も、私の中ではひとつの線上につながります・・・。
おっしゃるとおりですね。
ツェッペリンの音楽は大好きなのですが、バックグラウンドまで綿密に勉強したことがないので、残念ながら僕もこれ以上は・・・。
[…] る・・・ような・・・。そう、まるでツェッペリン。一般的に言われるようにファーストやサードに比べて、セカンド・アルバムはどうも統一感に欠けていると僕も思う。それぞれの楽曲 […]
[…] Led Zeppelin:Celebration Day John Paul Jones, Jimmy Page, Robert Plant and Jason Bonham Recorded Live December 10th, 2007 O2 Arena, London ツェッペリンの普遍性は色彩豊かな多様性にある。 ついでに、20年前にジミー・ペイジがリマスターし、編集した4枚組ボックス・セットから2枚目あたりを取り出して聴いてみた。サードから「フィジカル・グラフィティ」あたりの音楽がばらばらに(というかペイジの思う順番に)収録されているが、久しぶりに耳にしてそう思った。アコースティックなツェッペリン、ハードでヘヴィなツェッペリン。そしてフォーク・スタイルのツェッペリン、ブルース・ツェッペリン、さらに第三世界的ツェッペリン、・・・ともかく自在に変化する彼らの(というかジミー・ペイジの)万華鏡の如くの音楽性を確認し、なるほど、確かに”Celebration Day”は感動的な記録であり、それを観る者(聴く者)を感激の坩堝に追いやるが、残念ながら繰り返し何度もという気にあまりならない(ように思う)。その理由がわかった。 […]