12月のカノン

winston_december.jpgしみじみと感慨に耽りたいときがある。そういう時間に相応しい音盤がある。そういうものは人それぞれ違えど僕なりに20年近く愛聴しているCDがある。宴の後の何とやら。人と歓談したときに限って無性に「孤独」になりたがるのってどういうことなんだろう?別にコミュニケーションに疲れたというわけでもない、人が嫌いだということでもない・・・。不思議なものである。

人は人を求めているというが、誰でも独りになる時間が必要なのだろう。でないと、自分を振り返ることもできないし、究極「自分」を取り戻すこともできない。「自分らしさ」って何だろう?「自然」ってどういうこと?自分を取り繕ってきた人間は、ついぞそういう自問自答を繰り返す。答は見つかるのか?-決して見つかるまい。

本夕、拙宅でパーティ。ビールとワインを片手に菜食料理をつまみながら大いに盛り上がる。知り合って数ヶ月の間ながら、もう何年、何十年とつきあってきた感があるのは面白いものである。もちろん過去からつながっていたのだろう・・・。

George Winston:December

季節はずれのジョージ・ウィンストン。「12月」というタイトルながら真夏にも充分適応できる器の広さを持つ傑作。特に、パッヘルベルのカノンをウィンストン風にアレンジした「Variations on the Kanon by Johann Pachelbel」は最高!原曲以上に人間心理の深層に響く音のタペストリー。そして、J.S.バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」をジャズ風に編曲した「Joy」。何度聴いても飽きることがない。真冬の闇夜の雪降る木陰で独り佇む僕・・・。

過去と未来が錯綜する独奏ピアノの調べ・・・。僕はピアノを弾けないし、子どもの頃に習ったこともないが、不思議にもピアノの音色は幼少時の記憶を鮮明に思い起こさせる。どこかで聴いていたのか、それとも奏していたのか・・・。

「雪くる前」
凍みて痛めるごとく
はてしなく
こころ輝き
枯木のうへにひびきを起す
わが君とわかれて歩めば
あらはるとなく
消ゆるとなく
ふりつむ我が手の雪を
ああ 君は掻く
(~室生犀星「抒情小曲集」)


6 COMMENTS

雅之

おはようございます。
この時期にGeorge Winstonの「December」ですか・・・(笑)、いいですね。
でも、もっとスカッとした暑い夏に聴くともっといいですね(笑)。
関東と異なり、当地での今年の夏は梅雨が明けず、天候不順で、読んでいて「寒さ」と「孤独」が身に沁みます。妻の実家のある山口県も大変な豪雨被害のようです。
今朝、何故か私の脳裏に思い浮かんだのは、サザンオールスターズの「夏をあきらめて」でした。
http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND7925/index.html
やっぱり夏は夏らしく暑くなくちゃ、ですね(笑)。
http://www.youtube.com/watch?v=QbHmeADkDTI&feature=related

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
>もっとスカッとした暑い夏に聴くともっといいですね
そうかもですね!(笑)
意外に真夏にピッタリだと思うんです、このアルバムは。
そうですか、名古屋方面はまだ梅雨が明けないですか・・・。九州方面の豪雨被害といい、ほんとに異常気象ですね。
>私の脳裏に思い浮かんだのは、サザンオールスターズの「夏をあきらめて」でした。
(笑)・・・名曲です。

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OZAWORLD

岡本さん
先日はありがとうございました。
岡本さんのセミナーに参加してから、
流れが変わった気がします。
流れを意識するようになったというのもあるのですが。
毎朝の書き出しも続けています!
また、お会いできることを楽しみにしています!

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岡本 浩和

>OZAWORLDくん
今日はお疲れ様。2週間に3度も会って話すとはね・・・。
よかったです。
>セミナーに参加してから、流れが変わった気がします。
そう言っていただけると感無量です。
こちらこそ今後ともよろしくお願いします。

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tono

お久しぶりです
ジョージウィンストンの「パッヘルベルのカノン」
高校時代に聴いてました
出だしの部分だけ、ピアノを弾ける友人に教えてもらいながら
練習したり、
コンサートを観に行ったりしてました
もう23,4年も前のことです

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岡本 浩和

>tono
コメントありがとう。
ちょうどあの頃聴いてたのね。
練習もしたんだ!今度弾いてみて!(笑)

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