2人のJohnston

beach_boys_surfs_up.jpgもう25年も前になる。クラシック音楽からしばらく離れ日がな一日ロック音楽を聴いていた時期がある。The Beatlesに出逢ったのもその頃だし、King CrimsonやYes、Pink Floyd、Led Zeppelin、Deep Purpleもそう。どちらかというとBritishものを中心に聴いていた。今でこそ、あらゆるジャンルの音楽を相応に楽しめるようになっているが、当時は、クラシックオタクの妙な偏見からほとんどポピュラー・シーンを無視して音楽を聴いていた。
僕は「何百年という歴史を持つ人類の至宝を本気で聴かないなんて人生で損をしている」と多少大袈裟にクラシック音楽を聴かない人に対して言ってきたが、逆も然りである。特に、60年代~70年代ロックを聴かない、あるいは知らないなんてもったいない(とはいえ、そういう僕も90年代以降のロック・シーンはフォローし切れておらず(というよりほとんど知らず)偉そうにモノを申すこともできない。音楽好きだというなら「今流行のもの」ももっと研究してみろよと怒られそうである・・・)。

今頃になると、Beach Boysが聴きたくなる。僕の一押しは何といっても「Pet Sounds」だが(このアルバムは本当によくできている。この1枚があるだけで、Beach BoysいやBrian Wilsonは不滅である)、1971年発表の「Surf’s Up」もお気に入り。一時の名声をよそに、商業的には随分低迷していた頃のBeach Boysが、紆余曲折を経、Brianの名作を蔵出しし、メイン曲として収録した問題作である。残念ながら、アルバムとしては前記「Pet Sounds」ほどのまとまりを有していない(まぁ、Bruce Johnston作の名バラード「Disney
Girls(1957)」と「Surf’s Up」があるだけで価値は充分だが)。

The Beach Boys:Surf’s Up

Disney Girls(1957)

Clearing skies and drying eyes          空が晴れ、涙も乾いたら
Now I see your smile                 君の笑顔がみえてきた
Darkness goes and softness shows       心の闇は去り、柔らかさが顔をのぞかせる
A changing style

Just in time words that rhyme           それに合わせるように言葉は詩を奏で
Well bless your soul                 君の魂を祝福する
Now I’ll fill your hands                 さあ君の両手を埋め尽くそう
With kisses and a Tootsie Roll           口づけとココア味のキャンディで
(対訳:宮治ひろみ)

doobie_brothers_captain_and_me.jpgついでに、もう1枚。夏の蒸し暑さをぶっ飛ばす傑作。

The Doobie Brothers:The Captain And Me

ほんとに久しぶりに聴いた。Tom Johnston在籍時の初期ドゥービーズのファンキーで荒削りな音作りは、Michael McDonald加入後の洗練された肌触りの良い音楽よりも格段に僕は好き。

70年代初頭のアメリカン・ロックには魂を揺さぶるうねりがある。


2 COMMENTS

雅之

おはようございます。
音楽には、それぞれ聴く時に最適な気温と湿度というものがありますよね。そういう意味では、日本の高温多湿の夏にはクラシック音楽は全然相応しくありません。特に室内楽など、やっぱり秋冬に聴くもんだと思いますもん。オーケストラの大編成ものもそう。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3583023
いつもエアコンをガンガンに効かせた部屋で聴くけど、ピアニシモではエアコンの音が邪魔。高原の別荘(所有してない!)で聴きたいです。
ということで、Beach BoysとThe Doobie Brothersですか! 自分では所有しておりませんが、両盤とも大昔独男時代、海に行く途中、友人に車の中で聴かせてもらったこともあり、音楽はよく知っています。この季節に聴くには最高ですよね(なお、「Pet Sounds」はCD持ってまーす、大好き!コード進行もカッコいい!)。
でも、こうして見ると今回ご紹介の両盤、ジャケットがじつに意味深です。
景気悪化で道路財源が底を突いた田舎で、冷夏、天候不順のため、レジャーをあきらめて仕方なく下道(したみち)をトボトボ帰るみたいで・・・(爆)。

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
>日本の高温多湿の夏にはクラシック音楽は全然相応しくありません。特に室内楽など、やっぱり秋冬に聴くもんだと思いますもん。オーケストラの大編成ものもそう。
ほんとその通りですね。ご紹介のマーラーは未聴ですが、高原の別荘で聴くと格別かもしれません(笑)。
>両盤とも大昔独男時代、海に行く途中、友人に車の中で聴かせてもらったこともあり、
はいはい、そんな感じで聴くのにぴったりです。しかも真夏に。
>今回ご紹介の両盤、ジャケットがじつに意味深です。
確かに!!偶然ですが・・・。

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