Boston:Life, Love & Hopeを聴いて思ふ

boston_life_love_jopeボストン号帰還。日本盤のリリースを待っていたのでようやく。
今この時点で評価を下すのは性急に過ぎる。が、とりあえず思ったことを書いておく。

冬至の今日、外に持ち出して1日中繰り返し聴いた。しかしながら、正直「果たしてこの新作はどうなんだろう?」という印象。毎度のことながら、どうにも客観的な判断ができず・・・。4枚目の”Walk On”以降は、何ヶ月、あるいは何年もしてからやっとその真価を理解することができたことと、ボストンというバンドへの思い入れがあまりに強いことなど、その理由は諸々。

一聴、ボストンの音であり、トム・ショルツの作品であることが明らかなのだが、どこか手放しで賞賛できない。何なのだろう、この微妙な気持ちは?
“corporate america”での、キンバリー・ダームの女声ヴォーカルの違和感含めどこか散漫な印象をふと思い出した。

しかし、ヘヴィー・ローテーションのお蔭かどうなのか、黄昏時に一気に腑に落ちた。”If You Were In Love”でのキンバリーの味のある深い詠唱。そして、”Someday”においてトミー・デカーロとヴォーカルを分けたジュード・ネイマノフスキの溶け合う声。
なるほど、このアルバムでは女声がある種スパイスの役目を果たし、ボストンの音楽性の幅を広げているということか。彼女たちはまるで天使だ。あまりに純粋無垢で。

Boston:Life, Love & Hope

Personnel
Tom Scholz (drums, bass, organ, all guitars, keys, harmony & backing vox, lead vocals)
David Victor (lead vocals, harmony vox)
Brad Delp (lead vocals)
Kimberley Dahme (lead vocals, harmony vox, flute)
Gary Pihl (lead guitars)
Tommy DeCarlo (lead vocals)
Jeff Neal (harmony vox)

もしも人間が本来の感性、感覚をいまだ失わずに持っていたとしたら、言葉は不要であったのかも。ましてや地域によって異なる言語ならば人々が言葉を通して意志の疎通を容易に融通することは不可能に近い。言葉の認識を横に置いて音楽に触れるとき、ボストン(=トム・ショルツ)の真価がわかるというもの。
ちなみに、ボストンというバンドの根源エネルギーは間違いなくそのインストゥルメンタルにある。僕の感覚では、音響そのものがチャクラを活性化させる波動に満ちていると思えるのだが、そこにショルツの言葉の意味を超えた歌詞が入り込み、それらを享受する者たちを一層惹きつける。
すべての作品に共通するのは、トムの作品が単なる「ラブ・ソング」ではないということ。一見どこにでもある恋愛をテーマにするが、その内容は実に奥深い。

They tell me I’m no angel
But I’ve been waitin’ long enough
We made it so far, I can’t give up

Hey, love should be enough
Oh, heaven on earth
Seems so easy
Heaven on earth

誰が何と言おうとやっぱりボストンはボストン。聴けば聴くほど味わい深くなる。傑作・・・、だと思う・・・。

 


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7 COMMENTS

木曽のあばら屋

こんにちは。
ボストン号11年ぶりの帰還ですね~。
ただ今注文中なのですが、まだ来ません
(一緒に注文したアイテムが悪かった)。
クリスマスには間に合いそうもないですが、気長に待ちます。

返信する
みどり

ご無沙汰しております。

何かもう、待ちくたびれた感じすらあるボストン号の帰還。
私は国内盤が出ない可能性まで考えてしまいましたから…(笑)

タイトルを知った時から、「あぁやっぱり岡本さんが仰っていることと
同じなのだな」…と(笑)

ファンの間でも賛否は別れているようですが、私などは既に3枚目の
アルバム発表時から、岡本さんが仰るところの「ニュートラル」な状態
では聴けていません。

“Life, Love & Hope”への否定的なレビューは、ニュートラルで
接していないことに起因するものかもしれませんね。

来日してほしいです、是非とも♪

返信する
みどり

うわ…何という誤変換でしょうか、恥ずかしい。

「分かれる」ですよね…恐縮です。

返信する
岡本 浩和

>みどり様
こちらこそご無沙汰しております。
国内盤が出ない可能性はまったくないと思っておりましたが・・・(笑)

なるほど、3枚目から「ニュートラル」ではないと!!さすがです。

>“Life, Love & Hope”への否定的なレビューは、ニュートラルで接していないことに起因するものかもしれませんね。

さすがです。その通りだろうと僕も思います。

来日してほしいですね、本当に。

返信する
みどり

岡本さん、決まりましたね、来日!
もう…35年ぶりですよ、待っていた甲斐があります。

半世紀生きていてよかったですね、お互いに(笑)

次にまた35年は待てませんから(笑)、絶対に行きましょう!

返信する
岡本 浩和

>みどり様
いやあ、やりました!!甲斐ありますね!!
良かったです、生きていて。(笑)

絶対に行きます。
しかも、ドームじゃなくて一層良かった・・・。

返信する

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