鳥のように自由に

queen_news_of_the_world.jpg1971年、95歳で国連平和賞を受賞したカザルスは国連で大勢の聴衆を前にカタロニア民謡「鳥の歌」を奏した。彼ははこの曲について次のように語ると、弦楽の伴奏に乗り、徐にチェロを弾き始めるのだ。

私はカタロニアの人間です。今ではスペインの一地方ですが、カタロニアとは一体何だったんでしょうか?カタロニアは世界でも最も偉大な国でした。これから短いカタロニアの民謡を1曲演奏します。この曲は「鳥の歌」と呼ばれています。空の鳥、宇宙の鳥は「ピース(平和)!、ピース(平和)!、ピース(平和)!」と歌います。この曲はバッハやベートーヴェンなど大作曲家もきっと愛したでしょう。とても美しい曲です。それに私の祖国カタロニアの魂なのです。

老巨匠による、「鳥の歌」は本当に感動的だ。まさに平和のシンボルとしての「鳥」がこの音楽の中に飛翔する。

古来、人は鳥のように自由に飛びたいと願った。いつの日か大空を羽ばたくことを想像した。そして、ライト兄弟によって飛行機が発明され、人類はその夢の第一歩を踏み出した。

鳥は自由の象徴なのか、ポピュラー音楽でも素晴らしい「鳥の歌」がいくつも存在する。The BeatlesはAnthologyを制作するにあたり、1994年一時的に再結成、Johnの残したデモ・テープをもとに残る3人がオーヴァーダビングを施し、“Free As A Bird”をリリースした。いかにもJeff Lynneがプロデューサーとして係わったという音づくりだが、名曲には違いない。

Free as a bird
That’s the next best thing to be
Free as a bird

鳥のように自由に
鳥のように自由であることが
その次に素晴らしいこと

Home and dry
Like a homing bird I fly
As a bird on the wings

心地よい家で
翼を広げて巣にもどる鳥のように
僕は飛ぶんだ

Whatever happened to
The lives that we once knew
Can we really live without each other
Where did we lose the touch
That seemed to mean so much
It always made me feel so

かつて僕たちが知っていた暮らしに
何が起こったのだろう
本当にお互いなしで暮らせるのだろうか
いつも僕を幸せにしてくれた
あの感触をどこで失くしてしまったんだろう

そして、赤い鳥が1971年に発表した「翼をください」。これは学校の合唱曲の主要レパートリーになっている音楽だから、老若男女問わず日本人なら誰もが知っているであろう名曲である。徳永英明がカバーしたバージョンで。これは泣かせる!

さらに、Queenの”News of the World(世界に捧ぐ)」に収録されたJohn Decon作の”Spread Your Wings”もその1種だろうか。

Sammy was low
Just watching the show
Over and over again
Knew it was time
He’d made up his mind
To leave his dead life behind
His boss said to him
“Boy you’d better begin,
To get those crazy notions right out of your head
Sammy who do you think that you are?
You should’ve been sweeping up the Emerald Bar”

サミーは落ち込んだ気分で
何度も何度もショーを観ていた
死んだような人生を手放して
やり直すべき時が来たんだ
ボスは彼に言った
「坊主、いい加減に狂ったような考えは捨てた方がいいぞ
サミー、おまえはいったい何様のつもりだ?
とっととエメラルド・バーのそうじをしろ」

Spread your wings and fly away
Fly away, far away
Spread your little wings and fly away
Fly away, far away
Pull yourself together
‘Cos you know you should do better
That’s because you’re a free man

翼を広げて飛び立とう
遠くまで飛び立つんだ
小さな羽を広げて飛び立つんだ
遠くまで
元気を出せ
もっと凄いことができるはずなんだから
なぜなら君は自由な人間なんだから

Queen:News of the World

今日はびっくりするほど暖かかった。春が来たかのよう。そう、人間誰しも本当は「自由」なんだ。


4 COMMENTS

雅之

こんばんは。
鳥尽くしですか!! どれも懐かしいし、負けず劣らず名曲ですねぇ! とても感動です。
ところで、鳥といえば、子供のころ真剣に観たテレビ番組「サンダーバード」なんてどうでしょう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%89_(%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E7%95%AA%E7%B5%84)
http://www.youtube.com/watch?v=jAA3-80dwnk&feature=related
エンディング・テーマが特にカッコよく、今でも大好きです。
私も「国際救助隊員」になり、岡本さんのように人助けを職業にしたくなります。
小さいころ、プラモデルをいっぱい作り遊びました。

返信する
雅之

おはようございます。
どうも酒席の後のコメントは正確さを欠きます。
×私も「国際救助隊員」になり、岡本さんのように人助けを職業にしたくなります。
は、どうせ言うなら、
○私も岡本社長の「株式会社オーパス・スリー」のような「国際救助隊」を組織し、人助けで思い切り活躍したくなります。
でしたか?(笑)、採用試験の面接なら(爆)。

返信する
岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
早朝から訂正分まで送っていただきありがとうございます。
昨晩の文章で十分に伝わっておりますので、あえて訂正は必要なかったように思います。少々飲んでいる方が「自然体」でよろしいのではないでしょうか(ただ、第3者に正確に伝えるなら、後の方ですかね・・・)。(笑)
サンダーバードは懐かしいですね!
しかし、幼年時の2歳の差はかなり大きいのか、雅之さんほどサンダーバードにはまった記憶がありません。
おっしゃるようにエンディングテーマ、かっこいいですね!

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アレグロ・コン・ブリオ~第3章 » Blog Archive » 手を取り合ってこのまま行こう

[…] 昔、Queenは6枚目の”News Of the World”で終わったものだと思っていた。久しぶりに復活の狼煙をあげたかのような”The Works”を聴いた時も、”QueenⅡ”や”A Night at the Opera”を初めて聴いた時の感動には遠く及ばなかった。それが、Freddieの死から20年を経た今頃、80年代のアルバムの「意味」を再発見した。Paul Rogersと組んだ新生Queenについては聴いていない。しかし、少なくとも本家本元Queenの残した音盤の全てには、それが世の中にどの程度受け入れられたのかという数字は別にして、閃きがあることに気づいた。音がイマジネーションに溢れている。 […]

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