ブレンデルのリスト

liszt_sonate_brendel.JPGカセット・テープデッキが修理されて戻ってきた。メーカーに修理を依頼したところ、部品の在庫が既に保管期限を過ぎているため修理不可能との知らせを受けた。キャプスタン・モーターが壊れているのだと。20年近く前に購入した5万円ほどのモデルだが、なかなか良い音がしていたし、ほとんど使っていなかったから「もったいない」という気持ちもあり、何とかリペアできないものなのかと思っていた。それに、近頃はかつてのアナログの音の素晴らしさを再確認し、どうしてもエアチェック・テープなどをいろいろと聴いてみたいという願望に駆られていた時だから、なおさら「捨てるには惜しい」という思いが募った。

ある日、ふと子どものころからお世話になっていたMさんのことを思い出した。そういえば、彼はテレビの真空管などを自分で修理していたなということを思い出したのだ。久しぶりということもあり、ご挨拶を兼ね、メールで問い合わせてみた。気軽にみてあげるよということになり、早速梱包し、物を送った。

実際はモーターは壊れていなかった。ベルトが経年劣化で溶けて切れていただけのこと。メーカーの対応もいい加減なものである。特にネット上ではあまり評判の良くないS社の製品ゆえ、メーカーの言うことを鵜呑みにせず、みてもらって良かった。ベルトの交換だけだからほとんど経費もかからなかったし、何よりまたカセットテープの音を楽しめるのかと思うとワクワクする。10数年のうちほとんどまともに動かさなかったということもあり、機械というもの、日常的に使ってあげないとよろしくないということもわかったので全て良い経験だった。ありがとうございます。

本日、「ワークショップZERO」の第2日目終了。毎度のことながら良かった。ひとりひとりが「能力」を開花し、ユニークな存在であることを自覚し、そして「自分らしくあること」を楽しめるような、そういう生き方を多くの人に提唱してゆきたい、そんな風にまた思えた一日だった。身の周りの全てに感謝できることって素晴らしい。

ブレンデルを聴く。

リスト:
・ピアノ・ソナタロ短調
・「伝説」~
小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ
水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ
・悲しみのゴンドラ第1番
・悲しみのゴンドラ第2番
アルフレート・ブレンデル(ピアノ)

ブレンデルのピアノは端正で無駄がない。色気がないといえばそれまでだが、そういう「音の作り」も悪くないかもと思えるようになった。複雑なリストの音楽が一気に見通しがよくなるところが良い。心に響くかといったら、それは「??」と答えるだろうが、理知的で冷静なこういう解釈も聴き方によっては「あり」なのである。脳に心地良い。


2 COMMENTS

雅之

おはようございます。
>心に響くかといったら、それは「??」と答えるだろうが、
岡本さんのご発言、おっしゃりたいことはよく理解できます。でも、そういう「ぶれない自分軸」って、どうなんでしょう?(笑)
リストの曲についてそう言われるならともかく、私はブレンデルのピアノについては、いつ聴いても心に響きますが・・・。
例えばシューベルト演奏をZimermanと比べても、ブレンデルの方がシューベルトの哀しみの本質に近づいていると私は感じますが、これも好みの問題に過ぎませんね。両方最高に素晴らしいので・・・。
Brendel: Schubert Op. 90/3
http://www.youtube.com/watch#playnext=1&playnext_from=TL&videos=BALiSVEsWBk&v=GkX4MyDeIqI
Zimerman: Schubert Op. 90/3
http://www.youtube.com/watch#v=KkqDEh-fXVI&feature=related
演奏者を伏せて音だけでブラインドテストをやったら、どうなるでしょうね?
リストのソナタでは、評判のユジャ・ワンのCDも最近聴きましたが、やっぱり私はブレンデルのほうがずっと好きです。

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
>でも、そういう「ぶれない自分軸」って、どうなんでしょう?(笑)
毎々失礼いたします(苦笑)。確かに好みの問題なんでしょうね。自分のCD棚をみてみると意外にブレンデルのものも多いのですが、あまり繰り返して聴いた記憶がありません。昨日のように時折取り出して聴いてみると、「これはこれでいいなぁ」と思うことがたまにあります。そういう意味では「聴きこみ」が足りないのかもしれませんし・・・。自分のその時の気分にもよるのかもしれませんし・・・。人間の感覚というのは勝手なものです(笑)。
ご紹介の2つの映像。確かにブラインドテストしてみたら面白いでしょうね。先入観をなくしてゆっくり聴いてみます。
ありがとうございます。
※ユジャ・ワンの演奏は未聴です。

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