アレンスキー

arensky_trio.jpgゴールデンウィークに、銀座のain-sophワークショップZEROの1日特別セミナーを開催する。「ありのままの、等身大の自分に出逢う」、そういうコンセプトの下、愛と癒しに満ちた体感型プログラムを提供しようと考えている。

「愛」も「癒し」もひとりでは学びえない。人間は誰しも関係性の中で生きていて、それらは「ある人」との「関係」の中でこそ初めて醸成されるものだから。先日、晴香先生からお薦めいただいたクリシュナムルティの著作を読んでいるが(これについては完読後いずれブログに書くつもり)、怖れ多くも彼の先達も「自己理解を関係性の中に発見するものだ」とはっきり言及している。

当日は目から鱗が落ちるような、そして「人と人とがつながっているんだ」ということが身をもって感じられる、そんな特別な日にしたいと思う。

ゴールデンウィーク・スペシャル1dayセミナー
◆日時:2010年5月4日(祝) 9:30~18:00
◆会場:銀座ain soph 3Froom  〒104-0061 中央区銀座4-12-1
◆アクセス:東京メトロ日比谷線・都営浅草線「東銀座駅」下車3番出口より徒歩3分
◆受講料:¥31,500(税込)
◆定員:10名

ところで、3ヶ月ほど前、NHK-FM放送で美しいピアノ三重奏曲を聴いた。いかにもロシアの土俗性を感じさせる中に、ふとフランスっぽい洗練されたニュアンスが感じられる佳曲だった。思わず聴き惚れてしまった。ラフマニノフかなと一瞬思ったが、聴き覚えがないので早速調べた。

アレンスキー:ピアノ三重奏曲ニ短調作品32

リムスキー=コルサコフに師事し、ラフマニノフやスクリャービンを教えたことで有名なこの作曲家の名前ぐらいは知っていた。しかし、その音楽についてはまったくと言っていいほど知らなかった。その日以来、アレンスキーのトリオの旋律、雰囲気が頭から離れず、何とか音盤を手に入れてじっくりと聴いてみたいと思っていた。ある日偶然タワーレコードでBrilliantレーベルの“Treasures of Russian Chamber Music”という6枚組廉価ボックスを見つけ、その中にタネーエフやショスタコーヴィチの名前に交じって件のアレンスキーという文字を発見し、即座に購入した。

いかにもチャイコフスキーに影響を受けたであろうとても「わかりやすい」音楽。カップリングの弦楽四重奏曲がことのほか気に入った。その第2楽章はチャイコフスキーを追悼して書かれた変奏曲で、「アンダンテ・カンタービレ」とはまた違った意味でいかにもポピュラーになりそうな旋律の宝庫であるのが嬉しい。興味深いのは第3楽章のテーマで、これはムソルグスキーの「ボリス・ゴドゥノフ」の冒頭の民衆の合唱「ボリス賛歌」の旋律であり、またベートーヴェンのラズモフスキー弦楽四重奏曲第2番第3楽章中間部のテーマでもある、ロシア民謡「皇帝賛歌」の旋律が使われている。ロシアでは誰もが知っているであろう、こういうメロディは異国の我々にもある種の郷愁感を煽る魅力を持つ。

アレンスキー:
・ピアノ三重奏曲ニ短調作品32
ジェローム・ロウェンタール(ピアノ)
クリスチャン・ボー(ヴァイオリン)
ナタニエル・ローゼン(チェロ)
・弦楽四重奏曲第2番イ短調作品35
ポール・ローゼンタール(ヴァイオリン)
マティアス・マウラー(ヴィオラ)
ゴドフリード・ホーヘフェーン(チェロ)
ナタニエル・ローゼン(チェロ)

本日は久しぶりのゆったりとした休日。リラックスするのにぴったり・・・。


2 COMMENTS

雅之

こんばんは。
Brilliantレーベル、いいお買いものが出来ますよね(笑)。普段聴くことの少ない曲が聴けて、とても魅力的なセットだと思いました。私も欲しくなりました。余談ですが、クラシックのCDジャケットは演奏者の顔写真が多いのですが、私はご紹介のCDのような、心が和む絵画を使用したもののほうが、ずっと好きです(たとえそれが美人の演奏家であっても・・・ジャケ買い・衝動買いを誘発させるのは邪道だ!!プンプン!!)。
アレンスキーの室内楽、魅力的ですね。私もそれほど聴き込んでいるわけではありませんが、作品32はチャイコと並ぶ「追悼曲としてのピアノ三重奏曲」の傑作だと思いますし、弦楽四重奏曲第2番も、じつは楽譜を買って研究したいくらいなんです。「ヴァイオリン、ヴィオラ、2つのチェロによる特異な四重奏曲」って、他に例があるのでしょうか? これ、演奏してみたらどんな特異体験ができるか興味津津です。
↓私の持っているCD
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2512611
アレンスキーが長生きしていたら、「ヴァイオリン、2つのヴィオラ、チェロによる特異な四重奏曲」の傑作なんかも作曲してくれたのではと思うと残念で残念で(笑)。
ピアノの練習曲などでも、ショパンみたいな曲想に日本の童謡が挟み込んであるような、いい曲があるみたいですね。
Etude Op. 25, no. 3
http://www.youtube.com/watch?v=229sLFw-UPc&feature=related
これを機にこの作曲家、もっと勉強してみたくなりました!!
ありがとうございます!!

返信する
岡本 浩和

>雅之様
こんばんは。
本当にこれは魅力的なセットです。
>心が和む絵画を使用したもののほうが、ずっと好きです
ですよね。でもまぁ、美人のジャケも魅力的です(笑)。
>アレンスキーが長生きしていたら、「ヴァイオリン、2つのヴィオラ、チェロによる特異な四重奏曲」の傑作なんかも作曲してくれたのではと思うと残念で残念で
おっしゃるとおりです。希少ですよね、こういう編成。ヴィオラが2本なんて、まさに雅之さんのような方向けのものですから。
>Etude Op. 25, no. 3
これは驚きです。いいですね。
僕も研究したくなりました。

返信する

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

アレグロ・コン・ブリオをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む