墨田区総合体育館で久しぶりに汗を流した。球技などいつ以来だろう・・・。多分大学時代が最後だからかれこれ30年近く前のことになる。基本的に運動音痴な僕は、スポーツというものをできるだけ避けてきた。要は負けるとわかっている勝負は最初からしないと決めているのである。
子どもの時から「苦手なこと」からは逃げる癖があった。中学生の時、部活が必修で、本当はやりたくないのだが、仕方なく陸上部とやらに入ることになった。ボールを使ってゲームをするというスポーツほど僕にとって苦痛なことはなかったから、ただ走るくらいなら何とかなるだろうと思ってのことだったが、甘かった。とにかく規律に則って練習したり、訓練したりというプログラムが僕向きじゃなかったんだと今になって思う。
基本的にマイペースなせいかチームや組織で何かを協同で成し遂げるということが嫌いだった。そういう人間がチームワークや共生をテーマにセミナー・研修をやっているのだから世の中不思議なものである。
ところで、サッカーに対してフットサルがあるように、ラグビーにも「タグラグビー」というものがあるらしい。つい2週間ほど前にその存在を知り、いろいろと仕事の絡みからまずはそれを体感してみなくちゃ話にならないだろうと、早速予約し、本日体験してきた。わずか1時間半ほどの練習だったが、息が相当あがった。きつかった。明日は筋肉痛だろう・・・。とはいえ、タグラグビーをゲームとしてみてみると、意外に「気づき」や「発見」をもたらす要素に溢れていることも事実。もう少しルールや試合運びのコツを覚えていくと面白いかもしれない。
肉体的な疲労をとるにはやっぱり弦楽合奏が相応しいかもと思い、ここのところブームの”British Composer Series”からヴォーン・ウィリアムズの巻を取り出した。
第37回「早わかりクラシック音楽講座」でグスターブ・ホルストの組曲「惑星」を採り上げる関係で、ここのところイギリス音楽をいろいろと聴いている。前にも書いたと思うが、少なくとも英国古典音楽に
はそれほど知識が深くなく、ホルストについても「惑星」以外はほとんど聴いたことがなかった。この機会に乗じて、勉強不足を恥じる思いで、彼の諸作品を聴いたり、彼が興味を持った音楽に触れたり、あるいはホルスト周辺の音楽を深く聴いてみると、20世紀前半のイギリス音楽界にはいわゆる個性派の作曲家が群雄割拠で、実は聴き応えは十分なんじゃないかということが今更ながらわかってきた。
少なくとも若い頃はのめり込むほどのインパクトをイギリス音楽には受けなかった。ヴォーン・ウィリアムズのこの音盤も10年以上前に手に入れたものだが、ついぞ真面目に向き合ったことがなかった。今日は「タリスの主題による幻想曲」が聴きたくてこのCDを取り出した。涙が出るほど美しい・・・。それと、協奏曲。オーボエの切ない音色がたまらない。実に魅力的だ。
岡本浩和にスポーツは似合わないという定説があるが、今日でそれはひっくり返りそうだ(笑)
おはようございます。
>岡本浩和にスポーツは似合わないという定説があるが、今日でそれはひっくり返りそうだ
ブラボー!素晴らしいです!! 私も、スポーツはもっとやらなければといつも痛感しております。見習いたいです!!
以前にも話題にしましたが、サッカーなどでは、音楽やオーケストラになぞらえることがじつに多いです。最近でも、日経新聞で、ヨーロッパのサッカーとブラジルのサッカーの違いをオーケストラとサンバに譬えている三浦知良氏のコラムを読みましたし、サッカー監督の談話でも、試合内容をオーケストラに譬えることは、日頃から本当に多いです。サッカーに限りませんが、それだけスポーツと音楽の演奏は、酷似しているのだと思います。
※一例
「・・・・・・サッカーはオーケストラによく似ている。広島というオーケストラは、13~14の楽器があわさっていい音色を奏でることができる。ただ、今日の試合については、2~3つ、必要な楽器が足りなかった。同じ楽器を持った選手が多く、そうなってしまうと素晴らしい音色を奏でることはできない。・・・・・・」サンフレッチェ広島 ミハイロ・ペトロヴィッチ 監督
2010年2月24日 AFCチャンピオンズリーグ2010_グループリーグ Hグループ 第1節 山東魯能戦 試合後コメントより
http://www.sanfrecce.co.jp/info/result/?n=248
>20世紀前半のイギリス音楽界にはいわゆる個性派の作曲家が群雄割拠で、実は聴き応えは十分なんじゃないか
まったく同感です。昨日偶々引っ張り出して読んでいた、古い「レコード芸術」(1984年5月号)の、喜多尾道冬氏のバルビローリ&ロンドン響による「イギリスの音詩集」という音盤の紹介記事から(191ページ)。
「イギリスの音楽は、ヨーロッパ大陸にくらべて一味も二味もちがっている。全体にまとまりがなく、模糊としており、ターナーの絵を鑑賞するのと似た印象を受ける。大陸の音楽はフランス式庭園のような幾何学的、透視的な整合美を根底としており、その美観に親しんでしまうと、自然のたたずまいをありのままにとり入れたイギリス式庭園はいかにもやぼったく見えよう。自然らしいよさがわかるにはなにか心の転機を必要とする。イギリスの音詩は、聴き手のその時の訪れをひっそり待つような音楽だ・・・・・・。」
ここだけの話ですが、ヴォーン・ウィリアムズで、私の愛聴盤中の愛聴盤を・・・。
ヴィーン・ウィリアムズ:交響曲第5番他/ロンドン響、ヒコックス(指揮)他
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1969612
他の人には教えたくないくらい偏愛している音盤です。
絶対内緒にしておいてください。そして「心の転機」の「その時」が訪れたら、そっと聴いてみてください。
>雅之様
おはようございます。
スポーツをやったとはいえ、仕事の関係上やらざるを得ない状況にあり・・、ということで無理やりです(笑)。
意外に筋肉痛もないので、日頃よく歩いている効果効能があるのかなと思いました。久しぶりに運動すると気持ちがいいものです。しかしながら、相変わらず球技音痴は変わっておりません(苦笑)。
ミハイロ・ペトロヴィッチ 監督の監督の言葉、いいですね。スポーツと音楽はいずれも個々の技能がしっかり確立されていながらかつチームワークが必要なんですよね。昨日も「チームワークなんだ!」ということを実感しました。
それにしても、喜多尾道冬氏のバルビローリ&ロンドン響による「イギリスの音詩集」という音盤の紹介記事は的を射てますねぇ。なるほどと納得しました。僕は「レコ芸」はあの頃の記事が一番面白くよかったと思っています。(当時はイギリス音楽といえば三浦淳史氏が重鎮でしたよね)
ご紹介の愛聴盤、ぜひとも聴いてみます。
しかし、「心の転機」の「その時」はいつ来るのでしょう?(笑)
[…] ベルグルンドといえば、シベリウスの権威として名を馳せるが、先年発売されたショスタコーヴィチの第8交響曲も素晴らしいし、ヴォーン=ウィリアムズなんかも素敵。あと、一般的にはあまり評判にならないように思うが、晩年に録音したブラームスの全集なども相当にいかす。嗚呼、本当に惜しい人を無くした。 […]