堀明子詩集

 

ravel_pavane_cluytens.jpg午前から夕方、多治見や中津川を移動し、打ち合わせ等。
9月11日(土)に多治見市文化会館で開催される愛知とし子presents「1日だけのクラシック音楽レストラン」のチラシが完成した。内容は、デュオあり、トリオありで、お子様にも大人にも楽しんでいただけるプログラム構成。昨年以上に刺激的で興味深いコンテンツ目白押しで、たくさんの方々に是非とも聴いていただきたい。

お世話になっている校長先生が4月から中津川市の小学校に異動されたということで、訪問した。そして、子どもたちと接する先生の「自然体」の姿にあらためて感動させられた。廊下を歩いていても、校長室でお話をしていても通り過ぎる子どもにひとりひとり丁寧に声をお掛けになる先生の優しい姿が目に焼きついて離れない。こういう先生がいるからこそ子どもは天真爛漫に自身を表現できるのではないか。感じたこと、思ったことを直接に表現できる純粋さ。子どもの才能を伸ばすも殺すも小学校の先生次第、そんなことを考えさせられた数時間だった。

いつものようにお土産をいただく。前回の訪問の際にご紹介いただいた堀明子さんの詩集。わずか16歳で夭折した彼女が中学2年生のときに書いた詩に目が留まった。信じられないような感性・・・。

A B C D

A.D.の中に
B.C.が在る
A B C D
過去は
現在の中に
A B C D
Anno
Domini
Before Christ
A B C D
時間は何故
分かたれるのだろう
A B C D
人は何故
生きなければならないのだろう
A B C D
現在の中に
過去が在る 未来が在る
A B C D
全ての時間の結集の中に
現在
生命きらめいて―

全ての時間の結集の中に現在、というのがみそだ。「今」を懸命に生きることが「全て」なのである。こういう言葉を目前にすると過去への後悔や未来への心配事など、自分が抱える全ての問題がちっぽけなものに思える。問題なんていうのは自分の頭が勝手に作り出した幻想かも知れぬ。日々ベストを尽くすことだ。

校長先生にいつものように心に残る素晴らしい演奏を披露していただいた。まるで数分間のプライベート・コンサートさながら。曲目はラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」など。フルート独奏校長先生、伴奏は・・・愛知とし子。身に染みた。

ということで、久々に愛聴盤を。

ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
アンドレ・クリュイタンス指揮パリ音楽院管弦楽団

やっぱり身に染みる。
さて、明日は東京だ。また忙しい日々が始まる・・・。


5 COMMENTS

雅之

おはようございます。
>わずか16歳で夭折した彼女が中学2年生のときに書いた詩
素晴らしいですね。彼女は先端物理学に興味があったのでは?と思わせるところもあります(笑)。特に、
>時間は何故 分かたれるのだろう
というところ。非凡です。ホーキングの発想みたいです!!
・・・・・・現在この一瞬が無ければ、過去もありえず、未来もあり得ない。つまり永遠をあらしめているのが、現在のこの一瞬なのである。したがって今の一瞬が、この我々の全生命である。そのことに気が付いてあらゆる相対的差別観を打破して、現在の一瞬を最高に生きてゆくことが永遠を生きる事である。それを可能にするのが無礙なる自己であり、無礙なる自己は現在の一瞬をおろそかにしないことによってのみ産まれるのである。・・・・・・《正法眼蔵へのいざない  真理の体現者・道元》というサイト内の、「正法眼蔵の主張」より
http://members.at.infoseek.co.jp/mangiku/index-28.html#syutyou
校長先生の演奏、私は愛知とし子さんのコンサートで二回実演に接しましたが(笑)、両方超感動しました。先生はすごい演奏家です。
今回の愛知とし子さんと共演の、
>「亡き王女のためのパヴァーヌ」など
も聴いてみたかったですね。
先生はコルボがお好きとのことでしたので、フォーレの「レクイエム」の名盤のお話なども御教示いただきたいところですよね(クリュイタンス指揮による、同「レクイエム」の名盤との比較などについても!)。
私がお二人の共演でリクエストしたいのは、フォーレ「ペレアスとメリザンド」の中の、有名な《シシリエンヌ(シチリアーナ)》です。
お二人の演奏で聴けたら最高だろうなあ。
http://www.youtube.com/watch?v=p9Tj4Um2bK4

返信する
岡本 浩和

>雅之様
こんにちは。
堀明子さんの詩はどれも真に素晴らしいです。
記事中の詩は「四季の歌」という詩集に収録されていますが、残念ながら絶版です。
ただし、ご家族に直接連絡をとると手に入れることができるそうです(1000円)。ご興味あるようでしたら連絡先をお送りいたします。
それにしても道元の言葉、こちらも真理ですね!!
あと、先生の「パヴァーヌ」、半ば余興的なものでしたが素晴らしかったですよ。まさに昨日コメントで話題になったゴンチチの三上さんが書かれている通り、「緊張と戦い、真摯に演奏しようとする小さな音楽家達の音の彼方に、強く、過去の偉大な作曲家達の息遣いを感じた」というものでした。
フォーレのシシリエンヌは今度リクエストしてみます(笑)。

返信する
雅之

こんばんは。
今朝、YouTubeでフォーレの「シシリエンヌ」の、いい動画を探してしていて気が付いたのですが、 レスピーギの超名曲「リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲-3《シシリエンヌ》」
http://www.youtube.com/watch?v=pCSooQrrfW8
と、
ロドリーゴ作曲の、ギターの超名曲「ある貴紳のための幻想曲」の第2楽章
http://www.youtube.com/watch?v=ZCUkYSdCoTg&feature=related
の雰囲気は、そっくりですねぇ。
岡本さんは気付いていましたか? 私は昨日まで迂闊にも、「漠然と」としか、両曲が似ていることを意識していませんでした。

返信する
雅之

「シシリエンヌ」に気を取られて、肝心な御連絡を忘れていました。
堀明子さんの貴重な詩集「四季の歌」、せっかく岡本さんから機会をいただきましたので、ぜひ購入して深く味わいたいです。

返信する

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

アレグロ・コン・ブリオをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む