サザンオールスターズ “バラッド3~the album of LOVE~”(2000)ほかを聴いて思ふ

この前、テレビをつけたら、サザンオールスターズがライヴを演っていた。
つい最後まで見入ってしまった。

デビューから40周年なんだという。
熱心な聴き手でなかった僕は、彼等のことを正直あまり詳しくは知らない。還暦を越えた彼らのパフォーマンスは、そんな僕にとってもとても魅力的だった。

桑田佳祐さんにとって妻の原由子さんは、バンドにとってもなくてはならない要の存在だという(音色を決める上で彼女のキーボードは決定的な役割を果たすらしい)。原さんも桑田さんの創発力をもって「この人はやっぱり天才なんだ」と気づいたそうだし、他のメンバーのインタビューを聴いても、そのことは明白。いずれにせよ彼らは、偶然の出逢いが生んだ奇蹟の、そして掛けがえのない不滅の布陣なんだと納得した。

それにしても、ジャンルを超えた、というか、一向に古くならない楽曲に、彼等の音楽性の高さと創造力の確かさを思う。

棚の隅っこに眠っていた彼らの音盤を久しぶりにいくつか取り出した。
(年をとったせいなのか)率直に、「すごい、素晴らしい」と感じた。
積み上げてきた「老練」の力強さと、常に「革新」の新鮮さが同居する奇蹟。

・サザンオールスターズ:バラッド3~the album of LOVE~」(2000)

Personnel
桑田佳祐 (vocals, guitars)
大森隆志 (guitars, vocals)
関口和之 (bass, vocals)
松田弘 (drums, vocals)
原由子 (keyboards, vocals)
野沢秀行 (percussions, vocals)

「TSUNAMI」は(僕が何かを語るまでもない)名曲に違いない。しかし、「愛無き愛児~Before The Storm~」の(おそらくクラシック音楽好きには堪らないだろう)斬新な音の移ろいと、サビの変拍子ゆえの不思議な音感に思わずため息を洩らすほど(「Hair」にもつい惹き込まれてしまう)。

彼らの歴史を「バラッド」で辿ってみた。

・SOUTHERN ALL STARS:BALLADE 2 ’83-‘86 (1987)

イントロから中華調の雰囲気醸す「かしの樹の下で」は、中国残留孤児がテーマになっているそうだが、この桑田さんと原さんのデュエットは、どこかで耳にしたことのあるような懐かしいメロディに満ち、文句なしに佳曲。

いずれも、30年以上も前の作品だとは思えない「新しさ」。それに、僕も熱心なファンではなかったとはいえ、いずれの楽曲も知っている、つまり聞いたことがあるのだからすごいとしか言いようがない。「Melody(メロディ)」の文字通り親しみやすい音楽。また、パッヘルベルのカノンをモチーフにした「星空のビリー・ホリディ」での桑田佳祐の絶唱。どれもが耳について離れない。個人的には、ジョン・レノンに捧げられた「Dear John」に限りない尊崇を感じるのだが。

ジョン・レノンは40歳で亡くなった。つまり、俺は俺より若いジョン・レノンしか知らなくなっちゃった。今後は道標なき道を頑張って行かなくちゃ(笑)。それにしても幸せな枯れ方に対する憧れはあるなぁ。
(桑田佳祐)

・サザンオールスターズ:バラッド ‘77~’82(1982)

間奏の、ヴォーカルとバッキングの掛け合いがかっこいい「私はピアノ」。
極めつけはやっぱり「いとしのエリー」(「TSUNAMI」同様、神の調性であるニ長調だという点が興味深い)。当時、僕は高校1年生だった。あの頃のモノクロの淡い思い出がカラーで蘇るくらい。
言葉が見つからない。

「ザ・ベストテン」で「いとしのエリー」が7週連続第1位になった。あのときは恍惚感を味わいましたね。だって、俺は勉強もできなかったしさ、街で火消しをやって表彰されたこともないからね。そこで生まれて初めて表彰されたようなものですよ。
(桑田佳祐)

サザンオールスターズの音楽に通底するのは誰しもに通ずる普遍の悲しみなのだと思う。
彼の歌は、あるいは彼の歌詞は確かにわかりにくい。しかし、サザンの、桑田佳祐の音楽は歌詞そのものを聴くのではなく、音楽そのものに乗っかる日本語の雰囲気を味わうものなのだろう(彼の言葉の選び方は天才的だけれど)。

※桑田佳祐さんの言葉はすべてサイトNAVERまとめ「桑田佳祐の名言集まとめ」より引用

 

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