題名のない音楽会~タルカス

untitled_concert101125.jpg「題名のない音楽会」。司会が黛敏郎氏の時はよく観ていた番組だった。氏が逝去され、紆余曲折を経、番組も一新、司会が佐渡裕氏になってからはおそらく一度も観ていないのではないか・・・。先日、偶々、吉松先生のブログを拝見していて、テレビの公開収録でほんの一部だが、例の「タルカス」を採り上げることを知り、これは見逃してはならじと早速往復ハガキで申し込み、無事本日を迎えることになった。日中、遠方での大学講義があったものだから、急いで電車を乗り継ぎ、文京シビックホールに向かった。老若何の問わず、プログレ・ファンらしき人影もまばらに・・・。

この番組の公開収録は2回分を一度に撮るようだ。何と第1部は、「光の国からぼくらの国へ~ウルトラマンがやってきた!」というタイトル。冬木透先生もご登場されるということで、本当に来た甲斐があったと思わず膝を打った。

第1部「光の国からぼくらの国へ~ウルトラマンがやってきた!」
・「ウルトラマン」の歌
・ウルトラメドレー
・交響詩「ウルトラセブン」よりメドレー
・「ウルトラセブン」の歌
・「ウルトラマンゼロ」のテーマ
佐渡裕、矢澤定明指揮東京フィルハーモニー交響楽団ほか

白眉は交響詩「ウルトラセブン」!!冬木先生直々に「ウルトラセブン」の歌の制作依頼があった時のお話を伺う。円谷一氏がテレビという小さな箱の中から想像もできないような宇宙規模の印象を与える音楽を作ってくれということだったらしい。いやもう最高!それ以上の言葉は見つからない。とはいえ、細かいことを言えばきりがないが、佐渡氏のお話には少しばかり閉口。例えば冬木先生相手にウルトラセブンの音楽はどれも最高ですねと前置きし、「帰ってきたウルトラマン」の「ワンダバダバ」の歌を例に出したり、ウルトラ警備隊の話をしている時に、科特隊の「流星バッジ」の話をしたり、見事にずれまくっていた。あまりよく知らないことは言わない方が良いだろうに・・・。まぁ、お愛嬌かな・・・。

そして、第2部はお待ちかね、吉松先生の登場。

第2部「クラシックmeetsロック~新作!プログレ交響組曲
・エマーソン&レイク:交響組曲「タルカス」~Eruptionより(吉松隆編曲)
・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番~第3楽章より(エレクトリック・ギター・バージョン)
マーティー・フリードマン(エレクトリック・ギター)
・エマーソン&レイク:交響組曲「タルカス」~Massより(吉松隆編曲)
・エマーソン&レイク:交響組曲「タルカス」~Aquatarkusより(吉松隆編曲)
佐渡裕指揮東京フィルハーモニー交響楽団ほか

抜粋とはいえ、吉松版「タルカス」の実演をこんなにも早く聴けたことに感謝。それに何より、こういう変拍子の難曲を指揮させたら今の時代佐渡氏の右に出る者はいないのではないかと思わせられるほど見事な棒。終演後の止めどない「ブラヴォー」コールは間違いなく化石のようなプログレ・ファンだろう。

あと、おまけとはいえ、マーティーのエレキ・ソロによるラフマニノフ、良かった(涙)。第3楽章のコーダをまるまる演奏しきったが、素晴らしい。ロック・
ミュージシャンはロシア音楽をテーマにすることが多いと同じく舞台に出られていた山田五郎氏が語っていたが、確かに。ロシアの憂いを帯びて、かつ雄大な音楽は抑圧からの解放であるロック音楽に通じるものがあるのだろうか。


3 COMMENTS

雅之

おはようございます。
おう!「タルカス 吉松先生オケ編曲版」実演を聴かれましたか!! それは羨ましい!! レコ芸12月号、116~118ページあたりのインタビュー記事によると、先生も、我々の感想と同じく、「ハルサイ」と並べてコンサートで採り上げたら面白いだろう、みたいなことをおっしゃっていますよね。それと、東フィルのオタク・コンマスの新井英治さん(失礼)、大変なプログレ・マニアだそうで・・・、ショスタコ・マニアだけではなかったのですね(笑)。
↓(こんな話題をしていても、ダスビを聴かれた方
http://pub.ne.jp/prelude/?entry_id=575581
や、来年からダスビを聴かれる岡本さんが、さらに羨ましくなります・・・笑)。
>あと、おまけとはいえ、マーティーのエレキ・ソロによるラフマニノフ、良かった(涙)。
ロック・ミュージシャンはロシア音楽をテーマにすることが多いと同じく>舞台に出られていた山田五郎氏が語っていたが、
やはり、東欧の音楽(ショパンなど多数)、ロシア音楽、それに日本の演歌は、共通した旋法や感情表現等が多いですよね。マーティーお得意の「天城越え」などを聴いても、そう思います。
Sayuri × Marty – Going Over The Heaven Castle
http://www.youtube.com/watch?v=mNqHLYeXCbk
>佐渡氏のお話には少しばかり閉口。
まあ、テレビを観る暇があるくらいなら、音楽の勉強をするようにしてたから、今日の彼があるのでしょう(笑)。でも、ウルトラの音楽は、番組に愛着のある指揮者にタクトを振って欲しいものですね(笑)。
ちなみに私は「帰ってきたウルトラマン」以降はウルトラ・シリーズとは思っていない、典型的な「第一次ウルトラ世代」ですが、息子と観て感動した、平成の「ティガ」「ガイア」の二作だけは、別格な傑作だと信じています。この二作は劇伴音楽も最高でした。

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雅之

訂正 
東フィルのコンマス
× 新井英治さん
○ 荒井英治さん
お名前の漢字を間違い、大変失礼いたしました。
荒井さんのソロは、私も何度か実演に接したことがありますが、表現的にも技術的な面からも、いつも大変な感銘を受けております。
今回のコンマスもプログラムから見て、彼だったと信じておりますが・・・(笑)。

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
席が2階の奥の方で、コンマスが誰だったか確認しなかったので何とも言えませんが・・・、まぁ荒井さんでしょうね。ご紹介のブログを読みますと、ますますダスビが聴きたくなりました。ありがとうございます。
>マーティーお得意の「天城越え」
これも凄いですねぇ。彼のテクニックは本当に素晴らしいです。あの日本語の上手さといい、耳が余程良いんでしょう。
>東欧の音楽(ショパンなど多数)、ロシア音楽、それに日本の演歌は、共通した旋法や感情表現等が多い
そういうことなんでしょうね。
>平成の「ティガ」「ガイア」の二作だけは、別格な傑作だと信じています。
以前からおすすめいただいているこの2作、やはり観ないといけませんなぁ。毎々ありがとうございます。

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