到一

pogorelich_mozart.jpg人生半ばを迎え、遅ればせながら一大イベントを終え、無事一夜が明けた。何の変哲も無いいつも通りの日常ながら、昨日の記念すべき一日を振り返ると感慨深い。両親を含め多くの親戚縁者の方々にお祝いを頂き、そして格別に喜んでいただき、とても幸せなひと時を過ごせたことに感謝する。
本日午後一番に、帰省時に必ず詣でる、村の鎮守である飯道神社を訪れ報告を済ませる。わずかに紅葉気味の樹々の合間を潜り抜け、小一時間ばかり7丁目までの道のりをゆっくりと登る。新鮮な空気と山間から流れ出る山水が身体に染みる。山頂では第二の人生を新たな気持ちで送ることを再決意。

ポゴレリッチのモーツァルトを聴く。

モーツァルト18歳~19歳の頃に生み出された、淡い淡い色彩と深い深い哀感を湛えた美しい音楽。K.283のソナタは僕がまだ高校1年生の頃、バックハウスの有名なリサイタルのLPを聴き、一目惚れ(一聴惚れ?)し、どうしても自ら演奏したくなり、楽譜を購入、独学で練習した懐かしい楽曲。それまで習ったこともないピアノを見よう見真似で弾いてはみたものの、音の少ないモーツァルトとはいえ、そう易々とは曲にならない。第1楽章提示部くらいはそれなりにマスターしたもののとても人には聴かせられる代物ではない、残念ながら・・・(苦笑)。とはいえ、いつ聴いても青春時代の懐かしい日々が走馬灯のように脳裏を駆け巡る。もう30年近く前のことを昨日のことのように思い出すくらいだから、僕にとっては永遠の名曲、至高の名曲であることには違いない。
それにしてもこのポゴレリッチのモーツァルトは完璧な演奏。あくまでポゴレリッチ流ながら、40歳を前に、世の偉大なピアニストの誰もが到達できなかったような高みに達しているのだからやはりポゴは天才である。

昨日、近江神宮にていただいた色紙には次の二文字。
「到一(ちいつ)」
二つのものが力を一つにして物事を成就すること。天地、男女とも対であればこそ完全に一つに合わせることが出来、万物を生成する。(易経より)

明日はいよいよ滋賀短期大学での公開講座。前半1時間は僕の講義、後半30分が愛知とし子のミニ・リサイタル。果たしてどうなることやら・・・。ただただ、一生懸命集中し、ご来場いただいた皆様に喜んでいただけるよう、力を合わせて良いものにしよう!

※今宵、愛知とし子の弾く「英雄ポロネーズ」を聴きながら、このブログを書く。

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