ジョン・ダンスタブル~来たりたまえ、聖霊よ

dunstable_motet_hilliard_ensamble.jpg「早わかりクラシック音楽講座」の中で、常々、僕自身は専門的な音楽教育を受けておらず、あくまでも趣味のレベルでジャンルを問わず音楽を聴き続けてきたことをお話させていただいている。確かにスコアが明確に読めたり、音を聴いて譜面に落とすことができたり(つまり絶対音感があるということ)するとより一層音楽への理解が深まるだろうし、楽しいだろうなと思うことは多々あった。物事はどんなことでも「感じる」だけでなく「理論的」理解ができることでより一層の信憑性をもつものであり、特に一般にはわかりにくい、難しいとされる「西洋古典音楽」をものにする上で「左脳的に」音楽を聴くことは一方で重要なことであると僕は信じている。おそらく今の歳からでも楽理を勉強することはできるだろうが、どんなことでも頭の柔らかい幼少の頃から始めて積み上げていくに越したことはない。その点を諦めているわけではないが、講座の中では、音楽の造りよりも作曲家の人生や、あるいは当時の社会的背景を研究しながら、作曲家が何を感じ、そして何を考えて音楽を創造したのかを僕なりの観点で教示させていただいており、そのことが何よりも楽しい(それに、ご参加いただいた方々に喜んでいただけることも自分自身の励みになる)。
このあたりの見解についてはいずれまとめて書いてみようと思っている。

ともかく、自分が今もっていること、今できること、そして今やりたいことを純粋に追求することが心身の健康に最良。

ジョン・ダンスタブル:モテトゥス集
ポール・ヒリアー指揮ザ・ヒリヤード・アンサンブル

15世紀イングランドの作曲家。残念ながら、彼の生涯についてはほとんど何もわかっていない(作曲した楽曲の数すら正確にはわかっていない)。当時、イギリスは音楽的にも大陸に絶大なる影響力を誇っていたようだが、1453年の百年戦争でイギリスが敗退するや一気に衰退し、以後ヘンリー・パーセルの登場まで200年近く音楽的暗黒時代に突入する。

ヒリヤード・アンサンブルの清澄な歌声は毎度のように疲れて渇ききった心の泉を癒してくれる。やりたいことをただ純粋に追求しよう。

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