名曲喫茶

lipatti_bach.jpg珍しく1日外出。
昼は銀座。荻窪に移動して名曲喫茶「ミニヨン」で打ち合わせ。その後、浜松町でYと「リーダーシップ論」を展開。なるほど彼は企業研修の第一人者だけあり、組織論、リーダーシップ論含めて相当研究している。勉強になった。思わず予定以上に議論したものだから次のアポイントはギリギリ。
20:00~新宿にていつものカウンセリング・セッション。毎々人と接してみて痛感するのだが、余計な力を加えずに自然の流れに任せていけば治まるところに治まるということ。
人間は「不安」や「焦り」から無駄な動きをして自ら物事を「破壊」してしまう傾向がある。とにかく「待つ」ことが大事。

ところで、荻窪の名曲喫茶で流れていた懐かしのLP。ディヌ・リパッティのピアノ、エドゥアルト・ヴァン・ベイヌム指揮によるJ.S.バッハのピアノ協奏曲第1番。あまりに時代がかったもはやバッハとはいえぬ音楽作りだが、昔日の面影を残した場所でのタンノイのスピーカーから流れてくるレコードの音を耳にしていると、ゆったりとした時間の経過の中で全てを忘れて音楽に身を委ねることも人間として大事なことだなとあらためて考えさせられた。
とにかく今の時代、特に東京の生活は忙しすぎる(まぁ、僕は自由業なのでそれほど時間や組織に縛られているわけではないから一般の人と比べると随分ましなのだが)。

J.S.バッハ:「主よ、人の望みの喜びよ」~カンタータ第147番(マイラ・ヘス編曲)
ディヌ・リパッティ(ピアノ)

白血病のため33歳で夭折したリパッティによる名曲集。ドメニコ・スカルラッティやショパンの「舟歌」、ラヴェルの「鏡~道化師の朝の歌」などの名演奏が刻まれている。
こういう古い音を静かに聴いていると何だか涙がこみ上げてくる。それほどに人の感性を刺激するアナログな演奏なのである。
15年ほど前、引越しを機にもっていたLPレコード-CDとして所有していた音盤のLPはすべて処分した。エア・チェックで残しておいたFM放送の録音テープもすべて処分した。後悔先に立たず。後の祭り。今から考えると残念でならない。LPの温かみのある音、針音-懐かしい。

J.S.バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」はブーニンの名演もあるが、やはりこのリパッティ盤が随一ではないか・・・。
端正で地に足のついた演奏で、しかも温かみもあり、祈りに満ちているところが他を冠絶する。

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