ダニー・ボイル監督/リチャード・カーティス脚本「イエスタデイ」(2019)

“A Day in the Life”の世界を髣髴とさせる、わずか12秒の停電中に事故に遭ったジャック・マリクが目覚めたときに見たものは、誰もがビートルズを知らないパラレル世界だった。

ビートルズはやっぱり偉大な歴史的存在なのだということを再発見した。
そして、コカ・コーラもハリー・ポッターも、この世界に存在する偉大なるものは、一方で人々が作り出したいわば幻想であるということも再確認した。ジョン・レノンが、いみじくも「ビートルズの存在を信じない、夢は終わった」と歌ったように。

映画の後半に登場する78歳のジョン・レノンが、ジャック・マリクに語る幸せに生きるための鉄則が心に響いた。

彼女に愛を伝えよ、そして、嘘をつくな。
納得。

金や名声よりも大事なものは愛だ。
「いかにも」というありきたりの主題ではある。
とはいえ、大事なことは、金や名声に翻弄されるジャックの内に垣間見える良心の呵責だ。誰の中にもある良心が発露したときにこそ、世界は一つになる。
そう、ビートルズの歌には、一人一人の良心を開く力がある。
彼の歌う、ビートルズの作品は、本当にどれもが素晴らしかった。すべてが、今の時代にも通用する、躍動感に満ちる傑作だ。

「イエスタデイ」(2019)
監督:ダニー・ボイル
脚本:リチャード・カーティス
原案:ジャック・バース and リチャード・カーティス
ヒメーシュ・パテル(ジャック・マリク)
リリー・ジェームズ(エリー・アップルトン)
エド・シーラン(エド・シーラン本人)
ケイト・マッキノン(デブラ・ハマー)
ジョエル・フライ(ロッキー)
アレクサンダー・アーノルド(ギャビン)
ラモーネ・モリス(マーケティング責任者)
ジェームズ・コーデン(ジェームズ・コーデン本人)

とても示唆に富んだコメディ・タッチの恋愛ドラマは、想像以上にとても深かった。ビートルズの歌には真理がある。真理があるから不朽なのだ。

他人は騙せても自分を騙すことはできない。
何より自分に正直にあろうとあらためて思う。

ところで、時代遅れの僕は、エド・シーランの存在を知らなかった・・・。

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