夏の思い出

janacek_firkusny.jpeg夏がくれば 思い出す
はるかな尾瀬 遠い空
霧のなかに うかびくる
やさしい影 野の小径
水芭蕉の花が 咲いている
夢見て咲いている水のほとり
石楠花色に たそがれる
はるかな尾瀬 遠い空
(江間章子作詞・中田喜直作曲)

ヤナーチェクの「草陰の小径」を聴くと、この名曲がどういうわけか頭に浮かぶ。高校2年生の秋、修学旅行で訪れた尾瀬はすっかり秋色に染まり、歌詞中の霧や水芭蕉とはほど遠い景色だったが、何か郷愁に満ちた雰囲気を漂わせており、山里育ちの16歳の僕からみてもとても清澄な空気で新鮮な印象を受ける場所だった。当時、関西圏の高校の修学旅行といえば東京というのが定番で、1年上の先輩までは行き先が東京方面であったと記憶する。今となっては尾瀬や小諸などの信州方面で良かったと思うのだが、高校生の頃は大都会でない不満も多少だがあった。とはいえ、修学旅行の楽しみは、合宿さながら友達同士で同じ釜の飯を食べ、何日もともに旅をするということであり、結果的には十分刺激的で楽しい想いをした。あれからもう28年の歳月を経ようとしているが、それ以来尾瀬に行ったことはない。また行きたいとふと思った・・・。

外の風景が夏めいてきた。同時に地球そのものが乱れているのか、大久保あたりを散策していると普段意識しない人の多さや喧騒が妙に気になる。Hが仙台から異動になり明日から東京勤務らしい。寮が明日にならないと入れないので、今晩一晩泊めてくれという。おやすい御用。ということで3ヶ月ぶりに21:30頃ビールを持って来宅する。余談だが、彼は幼少時より特殊能力(その人に対峙し名前を聞くだけで、現世に因縁のある過去世がフィルムを見るように見えるのだという。昔は未来も見えたらしいが、未来を予言するのはある意味危険なので止めたという)を持っており、子どもの頃はそれが嫌で封印していたらしい。今は普通のサラリーマンをやっているが、いずれその力が世のため人のために使えるようになったらいいと考えている。

ヤナーチェク:草陰の小径
ルドルフ・フィルクスニー(ピアノ)

チェコのモラヴィア出身のレオシュ・ヤナーチェクは今年が没後80年。1908年に作曲された「草陰の小径」第1集。ちょうど今年で100年だ。夭折した娘への哀悼の音楽であり、耳を澄ますと全10曲には哀しげな響き、そして作曲者の心の叫び、魂の慟哭が聴かれる。ジョージ・ウィンストンなどが明らかに影響を受けているだろうと思わせる音楽・・・。特に第10曲「ふくろうは飛び去らなかった」は愛聴曲。

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