GCDF(キャリア・カウンセラー)の資格は3年に1度更新で、その間45時間の継続学習義務が課される。単純計算で1年につき15時間の勉強をすれば問題ないのだが、いろいろなセミナーや学習会が催されており、何万円もかかるものから無料というものまである。ぼーっとしていると3年などはあっという間に過ぎていくものだから、少しずつ学んでいこうと先月から折を見て、面白そうでリーズナブルな会合があれば出掛けることにしている。今日は東京駅近くの三菱ビルにて「GCDFホルダーは今後何を学習する必要があるか?」セミナーに参加した。内容は、前メリーランド大学シニア・サイコロジストで米国GCDFトレーナーである大谷彰先生の主にヘルピング(カウンセリング)についての講演と質疑応答。気軽な気持ちで参加したのだが、ここのところ個別カウンセリングも場合によってはやっているので意外に勉強になった。
カウンセリング・スキルの習得は難しい。結論を言ってしまうと「とにかく訓練するしかない!」なのだという。まぁ、当然か。先生がおっしゃっていた話の中で特に気に入ったのは、『「カウンセリング」という外国語』を学ぶ姿勢がとても大事だということ。なるほど、「カウンセリングは外国語」だったのか・・・。そしてクライアントへのフィードバックのための語彙を豊富に持て、と。それには良い小説を読み、できれば気に入った言い回しや言葉を書き留めろという。小説といってもピンからキリまであるのでできるだけ古典の良書を、例えば先生は志賀直哉や太宰治が好きなようだ(いわゆる私小説。ぼくはどちらかというと否定派)。さらには心理描写の優れた映画(僕は観てないが「普通の人々」が勉強になるらしい)や昼のドラマなどを見て、自分ならこの場合何て答えるかを考えるなどするといい、と教えていただいた。
-「孤独感」いっぱいのクライアントを「孤独から解放する」ために適度な「自己開示」をすることも大切なポイントだという話も心に残るものだったが。
天気も良く、ほとんど夏のような暑さである(気持ち良いが)。帰宅して食事を済ませ、さて音楽を聴こうと棚を漁り、カラヤンの3枚組新ウィーン楽派音楽集をとりだし、シェーンベルクの「ペレアスとメリザンド」を聴き始めた。が、何か乗らない・・・。違うと思いCD2に変更。
シェーンベルク:浄夜作品4
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
いつも書いていることだが、一部のオペラとR.シュトラウスを除きカラヤンの音盤は滅多に聴かない。ベートーヴェンやブラームス、ブルックナーなどの交響曲のCDは一枚も所有していない(そのあたりは徹底している)。しかし、冷静に考えてみると20世紀前半のゲルマン系の音楽は得意だったようで、というよりカラヤンの創り出す曲線的で豊穣な響き、そして完璧なまでのアンサンブルは無調主義や表現主義の音楽にぴったりなようで、聴いていて本当に心地良いし、掛け値なしに名演奏だと思う。
ところで、リヒャルト・デーメルの同名の詩にインスパイアされ書かれたこの「浄夜」は、後期ロマン派の色合いを残しつつも独特な「浮遊感」と「退廃感」をもつ名曲で、原曲の弦楽六重奏版とあわせて是非とも皆様に聴いていただきたい音楽である。無調時代のシェーンベルクも捨て難いが、僕はどちらかというとこちらのシェーンベルクが好みである。まさにその名の如く「美山(Schoen Berg)」だ。
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