シュヴァルツコップ ゲルホーン指揮フィルハーモニア管 J.S.バッハ カンタータ第51番(1950.10.6録音)ほか

カンタータ第51番「すべての地にて歓呼して神を迎えよ」。少々古臭い、情感を込め過ぎた(?)歌唱が気になるけれど、いかにも確信に満ちた歌は彼女の真骨頂だろうと思う。だからだろうか、妙に祝祭気分の過ぎた(?)、もう少し抹香臭くても良いのではないかと思わせるほどの愉悦の思念が浮かび上がる録音である。ただし、第2曲レチタティーヴォから第3曲アリアにかけての深き祈りの様子はなかなかのもの。独唱が前面に押し出された録音ということもあろうか、彼女の歌は、実に力強く、心に迫る。続く第4曲コラールは、2つのヴァイオリンと通奏低音とを伴った優しくも美しい音楽で、このあたりの脱力の歌はこの人ならではだ。

ヨハン・セバスティアン・バッハ:
・カンタータ第51番BWV51「すべての地にて歓呼して神を迎えよ」(1950.10.6録音)
マヌーグ・パリキアン(ヴァイオリン)
ジェラルド・エムス(ヴァイオリン)
レイモンド・クラーク(チェロ)
ハイドン・ロジャーソン(チェロ)
ジェームズ・メレット(コントラバス)
ハロルド・ジャクソン(トランペット)
ジェレイント・ジョーンズ(オルガン)
エリーザベト・シュヴァルツコップ(ソプラノ)
ピーター・ゲルホーン指揮フィルハーモニア管弦楽団
・カンタータ第208番BWV208「わが楽しみは、元気な狩だけ」(狩猟カンタータ)(1046.11.1録音)
 ―第8曲レチタティーヴォ
 ―第9曲アリア
ヨーゼフ・ニーダーマイアー(フルート)
カール・レズニチェク(フルート)
クルト・マウラー(チェロ)
イゾルデ・アールグリム(ハープシコード)
・カンタータ第68番BWV68「かくも神は世を愛し給えり」(1950.10.13録音)
 —第2曲アリア
マヌーグ・パリキアン(ヴァイオリン)
レイモンド・クラーク(チェロ)
シドニー・サトクリフ(オーボエ)
ジェレイント・ジョーンズ(オルガン)
・カンタータ第199番BWV199「わが心は血にまみれ」(1958.5.26録音)
シドニー・サトクリフ(オーボエ)
エリーザベト・シュヴァルツコップ(ソプラノ)
サーストン・ダート指揮フィルハーモニア管弦楽団

バッハのカンタータは、いずれもが旧スタイルの、いかにも重厚な現代的な響きを醸す。それに合わせてシュヴァルツコップの歌唱はもちろん重い。ただし、それがまたバッハの敬虔な側面を強調するようで良いのだ(「狩猟カンタータ」BWV208第9曲アリアの、2本オフルートで導かれる牧歌的な旋律は、確か小学校のときに放送室からしばしば流れていた音楽だから懐かしい)。

・ヨハン・セバスティアン・バッハ:御身が共にいるならばBWV508(伝ゴットフリート・ハインリヒ・シュトルツェル)(1954.1.4録音)
エリーザベト・シュヴァルツコップ(ソプラノ)
ジェラルド・ムーア(ピアノ)
・ヘンデル:甘い鳥(「快活の人、沈思の人、温和の人」)(1946.11.2録音)
ヨーゼフ・ニーダーマイアー(フルート)
エリーザベト・シュヴァルツコップ(ソプラノ)
ヨーゼフ・クリップス指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
・モーツァルト:エクスルターテ・ユビラーテK.165(1948.5.26&28録音)
エリーザベト・シュヴァルツコップ(ソプラノ)
ワルター・ジュスキント指揮フィルハーモニア管弦楽団

若きシュヴァルツコップによるモーツァルトのエクスルターテ・ユビラーテの快活な歌!なんだかとても柔らかく、不思議に癒される声。

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