Crosby, Stills, Nash & Young “Déjà vu” (1970)

結論から言えば、このアルバムの音にはいわゆる“バンドらしさ”などカケラもない。4人のソロ・アーティストがそれぞれ自分の作品を数曲ずつ持ち寄り、それぞれのやり方で主導権を握りつつレコーディングしたオムニバス・アルバム。
(萩原健太)
~レコード・コレクターズ増刊「アメリカン・ロックVol.2」P411

随分辛口な評だと思う。今からちょうど30年前(1992年)のものだから発売から20余年という時代にあっては筋金入りの評論家の意見は確かにそうだったのかもしれない。それからまた相当の熟成期間を経る。

個性的な4人の合作たるアルバムは、リリース当初から爆発的に売れたようだ。
一聴、僕にはバラバラな印象はない。むしろ個性のぶつかり合いが相応の調和を創出しているようにも思える。まして、半世紀を経てさらに醸成されたのかどうなのか、古さを感じさせない新鮮な(?)音のドラマに舌を巻く。

・Crosby, Stills, Nash & Young:Déjà vu (1970)

Personnel
David Crosby (vocals, rhythm guitar)
Stephen Stills (vocals, guitars, bass, keyboards, organ, piano, percussion)
Graham Nash (vocals, piano, organ, rhythm guitar, percussion, tambourine)
Neil Young (vocals, guitars, keyboards, harmonica)

冒頭”Carry on”(スティーヴン・スティルス作)から終曲”Everybody I Love You”(スティーヴン・スティルス&ニール・ヤング作)まで息つく間もない、めくるめくCSN&Yの冒険世界(?)。個人的にはグラハム・ナッシュ作の”Teach Your Children”がお気に入り。4人のコーラスの統一感が見事であり、何よりその歌詞の世界観が素晴らしい。

Crosby, Stills, Nash & Young “Teach Your Children” (Official Music Video)

You who are on the road
Must have a code that you can live by
And so become yourself
Because the past is just a good bye.

他の誰でもない、自分自身になれ、そして、今を生きろと言うのである。
50余年を経て、今の時代に見事にマッチした歌に僕は感激する。

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