海潮音、パッサカリア

雲一つない晴天の朝、7:30過ぎには起床する。ここ2、3日は風が強く、外出すると意外に寒い日が続いていたが、今日は違う。
メールを開くと、先日の「ES講座」の宿題が4人の学生から届いていたので、添削して返信する。自分をアピールすることについては掘り下げていけばエッセンスが見つかるわけで、それを形にしていくことはさほど難しい作業ではない。ところが、志望動機となるとやはり一筋縄ではいかない。その業界や企業に興味を持った理由をそのまま正直に書いていくしか結局方法はないと思うのだが、どうしても皆格好をつけたがる。きっかけとなった「原体験」やなぜ魅かれたのかを相手にわかるように書けばいいだけなのだが・・・。

正午、表参道にある行きつけの美容院「Cleep」で散髪。ここのところは1ヶ月に1回というペースを守って通っているが、髪を軽くするととても爽快だ。
ふと思い立って上田敏訳詩集「海潮音」をおもむろに開く。

「燕の歌」   ガブリエレ・ダンヌンチオ
弥生ついたち、はつ燕、
海のあなたの静けき国の
便もてきぬ、うれしき文を。
春のはつ花、にほひを尋むる
あゝ、よろこびのつばくらめ。
黒と白との染分縞は
春の心の舞姿。

弥生来にけり、如月は
風もろともに、けふ去りぬ。
栗鼠の毛衣脱ぎすてて、
綾子羽ぶたへ、今様に、
春の川瀬をかちわたり、
しなだるゝ枝の森わけて、
舞ひつ、歌ひつ、足速の
恋慕の人ぞむれ遊ぶ。
岡に摘む花、菫ぐさ、
草は香りぬ、君ゆゑに、
素足の「春」の君ゆゑに。
・・・

今日は都立高校の合格発表日。冬の肌寒さから春の気配を感じさせる陽気に移ろう今頃の時期は、何かが新しく始まる予感がする。

J.S.バッハ:パッサカリアとフーガハ短調BWV582
ヘルムート・ヴァルヒャ(オルガン)

バッハが1710年、すなわちワイマール時代に書いたと推定されている傑作オルガン曲。「パッサカリア」は舞曲の一種で「シャコンヌ」とほぼ同形式と考えて良い。主題と20の変奏によって繰り広がられる様は、とても25歳の青年が生み出したとは思えない老練さと厳しさをあわせもつ。無伴奏の「シャコンヌ」を聴き、ブラームスやブゾーニの編曲モノを耳にすることで自ずとバッハの深遠な世界に引き摺り込まれ、ここ数日はバッハ周辺の音楽一辺倒。奥が深い・・・。

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