ヴァレラ カレス マケラ指揮フランクフルト放送響 ショスタコーヴィチ 交響曲第14番「死者の歌」(2020.10.1Live)

クラウス・マケラのショスタコーヴィチ。
この重い作品が何と澄んだ瑞々しい音で鳴り響くことか。
一人の青年が紡ぎ出す音楽は、音楽の内容は裏腹に、僕たちに生きる希望を与えてくれる。
生とは何か? あるいは、死とは何か?
僕たちはどこから来たのか? そして、どこへ帰って往くのか?
未来永劫くり返す三界輪廻の壁をついに打ち破るときが来たのかどうなのか?

・ショスタコーヴィチ:交響曲第14番ト短調作品135「死者の歌」
ミイナ=リイザ・ヴァレラ(ソプラノ)
ミカ・カレス(バス)
クラウス・マケラ指揮フランクフルト放送交響楽団(2020.10.1Live)

前衛技法の宝庫。にもかかわらず音楽は何だかとても親しみやすい。
たぶんそれはマケラの指揮の賜物なんだろうと思う。
ガルシア・ロルカの詩が、ギヨーム・アポリネールの詩がとても美しく音楽に乗っている。
室内オーケストラながら、厚みのある音響はショスタコーヴィチならでは。なかでも打楽器の天才的な使い方はショスタコーヴィチの真骨頂。例えば第5楽章「心して」は、アポリネールの詩による近親相姦をテーマにしたものだが、シロフォンやタムタム、鞭などを使用したいかにもショスタコーヴィチという音楽は、実に多彩で聴き応え十分。ヴァレラのソプラノが上手い!
「レニングラード」交響曲も最高の出来だったが、「死者の歌」も並大抵ではない名演奏。天才だ。

人気ブログランキング


コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

アレグロ・コン・ブリオをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む