ベーム指揮ウィーン・フィル ベートーヴェン 交響曲第7番(1980.10.6Live)

音楽の良し悪しとは、テンポの速い遅い、あるいは、ダイナミクスの対比が激しいなど、外面的要因に影響を受けるものでないとわかったのは随分後年になってから。律動やうねりや、音楽に内在するそういうもの、または自然な流れこそ聴き手に感動を与える最大の要因の一つだと思う。

その晩年、カール・ベームは日本の地で数々の名演奏を残した。
あらためてカール・ベームの最後の来日公演の記録、ベートーヴェンの交響曲第7番を聴いた。音だけで聴いてみても、映像を観てみても何と素晴らしい、生命力溢れる演奏であるかがわかる。

とても10ヶ月後に亡くなる人の指揮とは思えない力強さ。
そのことは、当時、NHK教育テレビで観ていた高校生の僕にはわからなかった。

・ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92
カール・ベーム指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1980.10.6Live)

固唾を飲んで待つ聴衆の緊張感。
おそらく微動だにせず演奏に集中する人々。
終演後の、おそらくこれが最後だろうとわかって聴いていたファンの怒涛の歓喜。何度観ても素晴らしい。
42回目の忌日に、あらためてカール・ベーム最後の来日公演の光輝を思う。

過去記事(2020年8月15日)

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