George Harrison “All Those Years Ago” (1981)

技術の進歩によってビートルズの最後の楽曲が蘇ったことは確かに喜ばしいことである。
しかし、実際に音を耳にして僕が感じたのは、確かにビートルズの4人の歌と演奏が聴ける作品であるにもかかわらず、かつての圧倒的な熱量を感じさせない醒めた音楽だった(熱狂的なフリークには悪いけれど)。

人と人との関係の中で起こるエネルギーの交換、音楽そのものに影響を与える心と心のふれあいというものが確実に存在し、バンドそのものが血肉を分け合って一つになるその瞬間を記録してこそ真の音楽が創造されるのだと”Now and Then”を耳にして僕は思った。

その後、ポールのジョンへの追悼ソング、あるいは亡きジョージの名作”All Things Must Pass”を聴いて、“Now and Then”もあくまでジョンの歌として(アレンジするなら)アレンジ、リリースした方が良かったのではないかと思うくらい。

“Here Today”は名作だ。
そして、ジョージがジョンを悼んで発表した”All Those Years Ago”も真に素晴らしい作品だ。

・George Harrison:All Those Years Ago (1981)

Personnel
George Harrison (vocals, electric guitars, synthesizer, backing vocals)
Ringo Starr (drums)
Paul McCartney (backing vocals)
Linda McCartney (backing vocals)
Denny Laine (backing vocals)
Al Kooper (electric piano)
Herbie Flowers (bass)
Ray Cooper (tambourine)

元々はリンゴのために作曲された曲らしい。
アルバムのレコーディングの最中にジョンの訃報を聞いたジョージが歌詞を加筆して発表したのだということだ。
※この楽曲にまつわる背景などはこちらのサイトに詳しい。

過去記事(2013年12月11日)

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