King Crimson “Lark’s Tongues in Aspic Part 2” (1973.10.12Live)

アルバム「太陽と戦慄」を初めて聴いたのは1984年のことだった。
アナログ・レコードに針を下ろし、最初の音が出るや、僕は文字通り戦慄した。
当時は、一昔前の、ずっと昔のバンドのレコードだという印象があったのだが、考えてみればわずかに10年前の、どちらかというと時代的に手の届く、現在のバンドの音楽だったことがわかる。

今となっては10年前などというのは昨日のことのように思われるのだから時間感覚というものの不思議。

映像処理は確かに古くさいものだが、音楽の斬新さ、演奏に漲るエネルギーは、他の何ものをも凌駕し、時代を超越する。時間と空間を超えた存在が、あのときのキング・クリムゾンであり、ロバート・フリップが主導権を握って再現したとしてもそれはまったくの別物。
1972年から74年、活動期間わずか2年間に過ぎないキング・クリムゾンの格別なる光輝に言葉がない(ミッドナイト・スペシャルでのライヴ演奏!)。

Personnel
Robert Fripp (electric guitars, devices)
John Wetton (bass)
Bill Bruford (drums, timbales, cowbel)
David Cross (violin)

「耳をつんざくほどの音量だが美しい、彼らは合成された電撃の壁を築いた。それはまるで爆弾がロシア革命の最後の日に炸裂したときに、ワーグナーがニーチェを肉挽き機に蹴り入れたかのような音だった」と一人の錯乱した評論家は書いた。
PCCY-00393ライナーノーツP54

それほどの衝撃だったことは映像から創造するのも容易い。
実際、この演奏をその場で聴いたならのけ反って卒倒しただろう。


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