子どもの頃

午後、グルックの歌劇「アウリスのイフィゲニア」を聴きながら明日の「就職講座」の準備をする。一通りの流れはほぼ決まっているということと、受講生の状態や様子を見ながら進行することになるのでそれほどきっちりと決め込む必要もないのだが。ところで、昨日のモンテヴェルディもそうだが、モーツァルト以前のオペラは何と言うか、幼少の頃を思い出させるような何か共通点があるように思う。気のせいかもしれないが。

夕方、恵比寿のガーデンプレイス・センター広場でishwish クリストファー・カレル&ベス・クイストのヒーリング・ミュージック・コンサート(コンサートとはいえ、野外での30分強のだしもの)があったので聴きにいく。ベス・クイストは何と4オクターヴの声域の持ち主。おそらくサンスクリット語だと思うのだが、お経をバックにしての歌唱や平和への祈りというタイトルの楽曲は刺激的なエネルギーを持った「癒し」の音楽。何ともいえない抹香臭さの漂う音楽なのだが、背筋をピシッと伸ばさせてくれる緊張感を持った楽曲。

僕はいわゆるヒーリング音楽を聴くと子どもの頃をふと思い出す。今この瞬間を捉え、感じる音楽にも関わらず過去にタイム・スリップする。おそらく時空を超える要素があるんだろう(バロック・オペラにもそういう要素があるのかもしれない)。特に今日の音楽はそういう音楽であった。

シューマン:子供の情景作品15
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)

こんなにメルヘンチックで優しさに溢れたピアノ音楽は珍しい。第1曲「知らない国々」からシューマンの空想の世界に誘われる。子どもは無邪気だ。邪気の無い、つまり純粋な良心だけで生きていた時が僕自身にもあったのだと、ついついその頃のフィーリングを思い起こさせてくれる魔法がこの曲集にはある。ホロヴィッツの名盤も捨てがたいが、やはり僕にとってはこのアルゲリッチ盤が一推し。1983年のレコーディングだから、もう24年も前の録音ということになる。多分この音盤を最後にアルゲリッチはソロ録音を止めてしまったのではなかったか。

※2000年だったかに久しぶりに彼女がソロ・リサイタルをやった時に聴きに行ったことを思い出した。確か前半がソロ、後半がギトリスとのデュオというプログラムであった。シューマンは演奏しなかったと思う。

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