友人が急性虫垂炎で緊急入院したということで、お見舞いに行ってきた。まぁ、2、3日の入院で済むし、病気といっても要は「盲腸炎」、病気のうちには入らない。
ということで、日々激務の当人にしてみれば態の良い「休暇」のようなものなのだろう。
そういえば僕は意外に身体が丈夫で、生まれてこの方大病を患った記憶もないし、現実一度も入院したこともない。たった2日間だが、病院での日常について聞いてみると、起床や消灯時間もしっかり決められており、朝、昼、夜と食事も定時に運ばれてきてとても健康な生活をしており、気持ちに余裕もできるということだ。心身ともにきれいにできるいいチャンスなのかもしれない。
何だか不謹慎な話だが、病院のロビーで2人して話していて、特に激務のサラリーマンにとってはこういう規則正しい生活をして身体を休めるために、たまには入院もいいものなのかもしれないね、という結論に落ち着いた。もちろん不治の病では困るんだけど・・・。
ハイドン:交響曲第101番ニ長調「時計」
オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団
脳腫瘍を患いながらも奇跡的に復帰。そして、躁うつ病。さらには、大やけどを負って、生死の境を彷徨う体験を何度も繰り返しては不死鳥のように蘇り、晩年には巨大な造形を持つ感動的な音楽を創り出した巨匠クレンペラーの至芸。
彼が、60年代の全盛期にEMIに録音した音源からハイドンの「時計」を聴く。あまりにゆっくりとしたテンポ。いかにもせかせかした生活を送る現代日本のサラリーマン諸氏に聴かせたいと思うほど、悠然たる姿勢で慌てることなく一つ一つ歩を進める巨人の音楽。
このハイドンに限らず、クレンペラーの演奏を聴くと、やっぱり今の日本人はあくせく働きすぎではあるまいか、と思ってしまう。急ぎすぎでバランスを崩してしまっているのだ。
そんなに急いでどこへ行く。さぁ、クレンペラーを聴こう!
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