秋の夜長の・・・

随分日が短くなった。朝晩の冷えも少しずつ厳しくなっているのが感じられ、いよいよ秋、そして冬の到来である。巷では秋の夜長のクラシック音楽などといわれるが、そうなると長大なワーグナーの楽劇やマーラー、ブルックナーの交響曲の出番である。
ゆっくりとかの音盤に耳を傾けながら読書をしたり、ゆっくり物事を考えたり、または音楽そのものに集中したりと、その楽しみ方は様々。とはいえ、実際、今月の「早わかり古典音楽講座」の準備でここしばらくワーグナー漬けだったりするのだが、この天才の楽劇などは4時間を越えるものが大半で、一度に聴ききることは到底無理だし、多少食傷気味になるというのも事実・・・。
たまには軽い音楽を気楽に聴いてみたくなる。

ワーグナー・シンパだったフリードリヒ・ニーチェが後年アンチ・ワーグナー派に転向し、その代わりに激賞したのが何とビゼーの「カルメン」や、オペレッタであったという。これらは決して「軽い」音楽ではないが、超弩級の楽劇に対峙するときのような精神的重圧感は伴わないゆえ、そういう意味ではとても気楽に聴ける音楽であったのだろう。思想的問題による反発は別にしても、ニーチェですらたまには気楽に音楽を聴いてみたかったのではなかろうか。

ビゼー:歌劇「カルメン」
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
パリ・オペラ座合唱団
アグネス・バルツァ、ホセ・カレーラス、ホセ・ヴァン・ダム、カーティア・リッチャレッリほか

クラシック音楽好きでなくともその序曲のメロディくらいは誰もが知っているとても有名なオペラである。とても気楽に聴け、楽しめる舞台であり、音楽である。語弊のある言い方だが、音盤はここに挙げたカラヤン盤でなくとも何でも良い。というより、僕自身それほど没頭した音楽ではないので、残念ながら CDでは上記の音盤、DVDではこれまた有名なカルロス・クライバー盤くらいしか知らないゆえそれ以上の言及ができないのである。序曲だけでなく、あちらこちら有名な旋律に溢れており、こんなに楽しめる音楽(オペラ)は他になかなかない。

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