モーリス・ラヴェルの音楽は真夜中に聴くのになぜかぴったりだ。昨晩も遅くに帰宅してふとピアノ協奏曲を聴きたくなり、おもむろにアルゲリッチ盤をとり出した。第1楽章最初の鞭の音から相当なインパクトがあり、ジャズの影響下にあるとてもお洒落な楽曲。特にモーツァルトのクラリネット五重奏曲に感化されたといわれる第2楽章は簡潔に書かれ、かつ精緻でとても美しい。
ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
クラウディオ・アバド指揮ロンドン交響楽団
ラヴェルはアルゲリッチの十八番でCDも何枚か発売されている。どれをとってもアルゲリッチらしい劇的で痛快な演奏。まぁ、人によっては「ラヴェルらしからぬ」ということで嫌悪感をもつこともあるでしょうが・・・。
数年前、ゲルギエフ&ロッテルダム・フィルのバックでルガンスキーがサントリーホールで演ったのを聴いた。生で聴くとより感動的。
「ピアノ協奏曲を2つ,同時並行で書き進めるというのは興味深い体験だった。
私が独奏者として登壇する予定になっているこの協奏曲のほうは,あらゆる意味で協奏曲らしい協奏曲だよ。
モーツァルトやサン=サーンスとまさに同じ美意識のもとに書かれているから。
協奏曲というものは-これは僕の見解だが-軽やかで,輝かしくなくてはならない。
深遠さや劇的な効果を意図するようなものではないのだ」
作曲者からカルフォコレッジに宛てた手紙より
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