昨日の「第7回早わかり古典音楽講座」ではチャイコフスキーをとりあげた。長年クラシック音楽を聴きながらチャイコフスキーは僕にとっては遠くも近くもない作曲家であったが、久しぶりに集中的にいろいろ聴いてみると、流石に人気作曲家。旋律はとっても美しく、曲想は優美かつ豪快、そして構成もよくできていてどんな初心者にも「感動」を与えてくれるから立派なものである。
今日はチャイコフスキーの「四季」を聴く。
ヴィヴァルディの協奏曲「四季」やハイドンのオラトリオ「四季」など、「四季」と名のつくクラシック音楽はいくつかあるが、中でもこの曲集は暗く切ない。尤もロシアという広大な大地で人々が感じる「四季」と極東の島国で育った我々日本人が感じる「四季」にはもちろん大きな相違があるだろう。厳密な意味で「四季」を持っている、そして「四季の移り変わり」というものを感じることができるのは我々日本人だと思うが、日本の「わび、さび」に通じる「何か」がこの曲集の中にはある。
チャイコフスキー:「四季」(12の性格的描写)作品37b
ミハイル・プレトニョフ(ピアノ)
この曲集はタイトル通り「1月から12月にいたる各月の自然の情景や、それと共にある人間の生活を表現した」作曲者特有の浪漫的詩情に溢れた傑作である。全曲の中で最も名高いのは第6曲の「6月・舟歌」であろうか。星の輝きのもとに船を出す恋人たちを描いたプレシチェイエフの詩にインスパイアされて創作されたらしい。
第5曲「5月・白夜」も秀逸。白夜のもとで静かに眠りに就く街の様子を描いており、とてもきれい・・・。
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