今日はレナード・バーンスタインの89回目の誕生日である。逝って早くも17年、時の経過は早いものである。バーンスタインといえばマーラー。60年代の早い時期からマーラーの全集を制作し、ウィレム・メンゲルベルクやブルーノ・ワルター、オットー・クレンペラーなどの旧世代の指揮者たちの後釜として20世紀後半を代表するマーラー指揮者として君臨した。映像を含めて生涯に3度マーラー全集を作っているが、やはり晩年のユニバーサル盤が最高か。
マーラー:交響曲第4番ト長調
クラウディオ・アバド指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
フレデリカ・フォン・シュターデ(メゾソプラノ)
バーンスタインはマーラー指揮者と書いておきながら今日とりあげたのはアバド盤。
マーラーを聴きたければ基本的にバーンスタイン盤を聴けば間違いない。しかし、「しかし」である。第4交響曲だけはアバド&ウィーン・フィル+シュターデ盤に後塵を拝す。
バーンスタインも決して悪くはない。ただ、シュターデの味のあるメゾがやばい。確かに終楽章は「天使」の歌であるゆえ、マーラーがもともと指定したソプラノで歌うべきだし、晩年のバーンスタインが試みたようにボーイ・ソプラノで演った方が「それらしい」かもしれない。でも、だめだ。この曲に関してはアバド、シュターデ、そしてウィーン・フィルという布陣に尽きる。見事な演奏、不滅の演奏。
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[…] プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番ハ長調作品26 マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」 ユジャ・ワン(ピアノ) クラウディオ・アバド指揮ルツェルン祝祭管弦楽団(2009.8.11-15Live)(Bru-ray Disc) 対してマーラーの「巨人」。僕はアバドの演奏するマーラーは昔から好き。 第4番などはウィーン・フィルとの最初のものがいまだにNo.1の愛聴盤だし、「巨人」もよく聴いた。彼の演奏は年々進化していると思うが、大病を患った後、復帰してからの演奏には何だかますます磨きがかかっているのでは、と思える。それと、2002年のベルリン・フィルとのパレルモでのコンサートでは指揮棒を持って演奏しているのが、このルツェルンでの演奏の時は指揮棒なし。いつからこのスタイルになったのだろう。例えば、小澤もいつの頃からか指揮棒を持たずに演奏するようになったが、意外に指揮棒なしというのが「巨匠の仲間入り」のポイントなのかも(笑)。ムラヴィンスキーも晩年は指揮棒なし。そういえばゲルギエフもここ数年見る限りにおいて指揮棒なしだ。 さて、実際のところどうなんだろう? […]