懐かしいライブ盤・・・

すみだ学習ガーデンさくらカレッジでの「早わかりクラシック音楽入門講座」がこの10月からスタートし、本日第2回目の講座が無事終了した。休憩時間中にあるご婦人が毎回楽しみにしていると声をかけてくださった。お年を伺うと昭和9年生まれの77歳だという。何と我が父と同年である旨お伝えしたら、その偶然に吃驚されたよう。聞くと、戦後すぐ学制が変わり、それに伴って音楽の時間を毎回楽しみにしておられたのだと。喜寿を迎えてあらためてクラシック音楽について学びたいと思い、講座にお申込みされたとのこと。13名の受講生のほとんどが僕よりだいぶ人生経験の多い先輩方ばかりで、毎々恐縮の思いで壇上でお話をさせていただくが、皆さん真剣な眼差しで講義や音楽を聴き接してくださるから本当にありがたい。ついでに、まだ2回を終えたばかりにもかかわらず、2012年度春季講座のご依頼もいただき、ますます本気で講座に臨もうと気持ちを新たにした。ありがとうございます(趣味が高じて始めた遊びのような講座がこんな風に展開してゆくとは夢にも思わなかった)。

夜、今度の「天職発見講座」の打ち合わせをしたが、なるほど我ながらこれは完璧なコンテンツだと二人でガッツポーズ!一人でも多くの方にご参加いただきたいと切に願う。

Peter Gabrielのニュー・アルバムを聴いた。昨年発売されたカバー・アルバム”scratch my back”と同コンセプトで、オーケストラをバックに自身の過去の楽曲をカバーするという代物。もうこれが涙が出るほど素晴らしい。1曲目の”The Rhythm Of The Heat”からガブリエルの神聖な世界に誘われ、トラックが進むにつれ祈りの感情に満たされ、真新しい装いで現れた聴き慣れた楽曲たちが頭の中に響き渡り、心の隅々にまで波動が浸透する、そんな感じ。とにかくまずは何度も聴き込むことかな(ついでにロンドンでのライブ映像”New Blood”もBDで仕入れたのであわせて勉強させていただく)。

ということで、今夜は途中で切り上げ、懐かしいライブ盤を。驚くほど完璧なテクニックとアンサンブルでステージを演出する5人の若者たちが最も輝いていた、そんな時代の記録(すべての楽曲がオリジナルのスタジオ盤以上に熱気を孕んで活き活きしており、こちらの方が僕は好き)。

Genesis:Live(1773.2Live)

Personnel
Peter Gabriel(vocals)
Tony Banks(keyboards, 12 string guitar)
Phil Collins(drums)
Steve Hackett(guitars)
Mike Rutherford(bass, guitars)

約40年前のPeterの声質と現在の彼の声質にはほとんど差異がない(実に驚異的!頭が禿げ上がったり随分太ったりと、さすがに容姿は相当変貌したが)。”Watcher Of The Skies””Get’ em Out By Friday””The Return Of The Giant Hogweed”、そして”The Musical Box””The Knife”という流れは、さながら初期ジェネシスのベスト・ヒット・ショー。観客の盛り上がりも相当なものだが、演奏中の静けさは素晴らしい。イギリスの聴衆はやっぱり皆紳士的なのかしら・・・?


2 COMMENTS

雅之

おはようございます。

新しい「早わかりクラシック音楽入門講座」での順調な船出、素晴らしいですね!

「天職発見講座」も面白そうですね。ますます人気が出そうです!
転職というと、私はモーツァルトを連想します。

「モーツァルトの作品の多くは、生計を立てるために注文を受けて書かれたものである。モーツァルトの時代に限らず、何世紀もの間、芸術家は教皇や権力者などのパトロンに仕えることで生計を立てていた。18世紀になってからはパトロンから市場に移ることが徐々に可能になっていく。

子供の頃から各地を巡業した理由のひとつが就職活動であり、ベートーヴェンのようにフリーランスとして生きていくことは非常に困難な時代であった。従って、モーツァルトの作品はその時代に要求された内容であり、たとえば長調の曲が多いのはそれだけ当時はその注文が多かったことの証でもある。実際、父の死後は依頼者のない作品が生まれている。これは、聴衆の嗜好に配慮せよとの父親による規制が無くなったため、モーツァルト自身の目指す音楽に向かうことが可能になったからである。交響曲などがそれに当たる」(ウィキペディアより)

モーツァルトも、絶えずお父さんに、「ネアカでいろ!」「暗い短調の曲は書くな!」「明るい長調の曲を書け!」と、説教されていたわけですよね(笑)。ありがたい親の愛ですねぇ(笑)。

ご紹介の音盤は未聴です。勉強させていただいております。

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岡本 浩和

>雅之様
こんにちは。
お陰様でまた新たなステージでクラシック講座を展開できそうです。
日々雅之さんとのやり取りの中で学ばせていただいている賜物だと認識しております。
ありがとうございます。

モーツァルトの例を挙げるまでもなく、世間の期待や要望に応えるってことは大変なことですよね。
ましてや父親からも相当なプレッシャーがあったら自分が自分でなくなりそうです(笑)。
モーツァルト最晩年の傑作が生まれた背景を知ると明るいも暗いもなくすべて包含されてひとつなんだということがわかります。

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