ギター伴奏によるバトルの歌!

battle_parkening.jpg先ほど、夕食を摂りながらNHKでパラリンピック、障害をもつ選手について放送されていたが、その最後にとても良い言葉が紹介されていた。障害というのは単に目に見える事象に過ぎない。自分自身に「これ以上は無理だ」と限界を想定した時点でそもそもその人は「障害」をもったことになる。逆に言うなら「限界」を設けない人は「障害者」ではないということだ。表現の詳細は覚えていないが、そのような内容の言葉であったと記憶する。

うん、確かに「できない」と自らにメンタル・ブロックをかけた段階で何事も達成しえなくなるというのは事実である。そのことを「障害」と言わずして何を「障害」と言うのか。五体不満足でも明るく人生を謳歌する人もいる。一方、五体満足に生まれても人を羨んだり、自己を卑下したり、暗く人生を歩む人もいる。どちらが正しいとは言い切れないが、自身がどんな状態・状況であろうとやりたいことをやり続け、「日々を楽しむ」ことはとても大切なことなんだとあらためて思った。

それにしてもパラリンピックに出場する人々の顔は見るからに活き活きとしている。生きがいを持って前に向かって進む人たちにとって自らのちょっとした機能不全などたいした問題でもないのだろう。目に見える形がどうであれ、前向きな人の生き様は清々しい。
昨日のコメントで雅之さんがギター伴奏によるシューベルトの「美しき水車小屋の娘」のシュライヤー盤を推奨されていたが、残念ながら僕は聴いたことがない。それに対抗するわけではないが、今日はキャスリーン・バトルがクリストファー・パークニングのギター伴奏で録音した名曲群を繰り返し聴いてみた。

アヴェ・マリア
・ジョン・ダウランドの音楽
・ヴィラ=ロボス:アリア~ブラジル風バッハ第5番
・3つのブラジルの歌
・ファリャ:7つのスペイン民謡より
・6つの黒人霊歌ほか
キャスリーン・バトル(ソプラノ)
クリストファー・パークニング(ギター)

本当に美しい!!不思議にも、伴奏がギターになると、すべての音楽がどこかで聴いたことのあるような郷愁感に溢れた音楽に変貌する。16~17世紀を生きた後期ルネサンス・リュート楽派のジョン・ダウランドの音楽はどれも心に染み入る。エンリーケによる民俗舞踊調の「ボイ・ブンバ」はまるで子どもの頃歌っていたかのような親しみやすさを持つ。ファリャの諸曲も最高。しかし、それより何より「黒人霊歌」たちの素晴らしさよ!!かつて人間扱いされなかったアメリカ大陸における黒人たちの魂の歌。真に大切な音楽遺産である。バトルの歌声については何も言うまい。

4 COMMENTS

やいっあん

息子もいよいよ 人の真実の行き方が分かってきて
その心が他人に教えられるまでに成長してきたかと
ばあちゃん感無量でニコニコ やっぱり子はカスガイ
よい子供が出来てよかったなぁ と又 ニコニコ

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雅之

おはようございます。
>キャスリーン・バトルがクリストファー・パークニングのギター伴奏で録音した名曲群
これは聴いたことがありませんが、想像するだけで素晴らしそうです。キャスリーン・バトルの声質と声量が、いかにもギター伴奏に合いそうなので・・・。歌い手と伴奏者の、家族や恋人同士のような親密ないい雰囲気が、ギター伴奏だとうまく醸し出せそうですね。ご紹介の盤は手に入れて聴いてみます。
>ギター伴奏によるシューベルトの「美しき水車小屋の娘」のシュライヤー盤
HMVのサイトで調べたら、現在も簡単に手に入るようですね。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/409219
シューベルトの歌曲は、大ホールでピアノを伴奏にして大きな声量で歌うより、狭い空間でギター伴奏で少人数の聴き手に囁きかけるように歌ったほうが雰囲気が良いケースもあるのではないかと、昨日コメントしながら思いました。
父が子に、あるいは子が父にインティメートな雰囲気で語りかけるのも、ギター伴奏をバックに、ぜひ・・・ニコニコ。

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
>歌い手と伴奏者の、家族や恋人同士のような親密ないい雰囲気が、ギター伴奏だとうまく醸し出せそうですね。
まったくその通りなんですよね。とても良い音盤だと思いますので、ぜひ。
シュライヤーの「美しき水車小屋の娘」、ご紹介ありがとうございます。手に入れて聴いてみます。
>狭い空間でギター伴奏で少人数の聴き手に囁きかけるように歌ったほうが雰囲気が良いケースもあるのではないか
僕もそう思います。
>インティメートな雰囲気で語りかけるのも、ギター伴奏をバックに
ありがとございます。

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