Boston最高!

Boston_Walk_On.jpg人は誰でも「表現したい」と思っているのだろう。何らかの要因で子どもの頃から抑圧傾向にあるだろう人は一層そういう「表現意欲」が強くなる。そして「表現」という行為の先には「ひとつになりたい」という欲求が隠されているように思う。「関係性」に着眼しながらセミナーを運営していると、そのあたりが「結果」としてより明確になる。

人の話をよく聴くこと。これはコミュニケーションの原点だといわれる。7割を相手にしゃべらせ熱心に聴くとコミュニケーション上手だという。それは確かである。ついでに加えるなら、一方でしっかりと「伝えられる」発信能力も身につけること。それこそまさに「表現」のための決定的ツール。聴き上手、話し上手、いずれも大切なスキルである。人と直接に出会うという腹を割ったコミュニケーション(受容し、かつ伝えること)ができることは十分な「癒し」効果である。
ところで、昨日の講演でもお話しさせていただいたが、例えば仕事などで問題を抱えることが多い人は、得てして「家庭でのコミュニケーション」に問題がある場合が多いように経験上思う。家庭という土台があっての「人間力」だから。わずかな時間でいい、親子なり夫婦なり家庭でのコミュニケーションを大切に・・・。

時折Bostonが無性に聴きたくなるときがある。最近では今日がその日なのか。久しぶりにBostonの4枚目のアルバムを取り出す。

Boston:Walk On

1994年、8年ぶりにボストン号が帰還した。Third Stage(1986年作)があまりに傑作であったゆえ、期待した。待ちに待った。しかし、ヴォーカルも代わり、一通り聴いてもなぜかその時はピンと来なかった。駄作だと判断し、このアルバムは僕の中で長い間封印されていた・・・。ところが、数年前、今日と同じように無性にBostonを聴きたくなった日に全作品を一気に聴いてみた。
あの頃とは自分自身の感覚が違っていたのかどのアルバムを聴いても新しい発見があった。そして、この「Walk On」に関しても、一気に魅了されてしまった。相変わらずのボストン・サウンドはどの面で切っても、宇宙人Tom Scholzの音である。ともかくすべてを飲み込む、すべてを包み込む「愛」と「癒し」がこの中にはある。静かに心をひとつにして聴き入ることだ。

人間には「愛」が必要だと説く。そして共に生き、生み出そうと訴えかけ、最後は「ひとつになる」のだ。Boston最高!来年あたりそろそろボストン号が再び帰還するであろう年である。さて今度はどんなメッセージを携えて彼らは現れるのか?


10 COMMENTS

雅之

こんばんは。
ご紹介の盤については、何の知識もありません。
そこで、今日はレコード会社の販売方針について最近苦々しく思っていることを・・・。
例えば、このアルバムのSHM-CD仕様の国内盤って、通常盤に比べて、何でこんなに価格が高いのでしょう?
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2816042
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1257236
SHM-CD、HQCD、Blu-spec CDって、普通のCDと何ら変わらない情報量のCDを、あたかも根本的に音が良くなるといった幻想を抱かせて、CDを買いそうな我々の世代をターゲットに、霊感商法的に何度も売りつける阿漕な商売は、いい加減にやめて欲しいです。
オーディオ評論家も、SACDより音がいいなんて、いい加減な提灯持ち記事を音楽雑誌に書き、消費者を騙すのは、極めて重い罪だと自覚して欲しいです。明らかな業界ぐるみの偽装工作になりますよね。そもそもCDは、SACDとは比較にならないくらい情報量が少ないのに・・・、文系ユーザーは簡単に引っかかるとでも思っているのでしょうか?消費者センターに訴えたいくらいです。
クラシックでは、未だにメジャーレーベルの国内盤新譜CDが、通常仕様で¥3,000の価格設定があったりするのも解せません。
ここにも、現代社会のモラルの欠如の一端が見えます。
どうお思いですか?

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木曽のあばら屋

こんにちは。
きっかり8年ごとに新作を発表する最近のBOSTON。
第5作”Corporate America”が2002年だったから
そろそろですよね。
待ち遠しいですが、果たしてほんとに出るのかな・・・?

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岡本 浩和

>雅之様
こんばんは。Bostonは聴かれたことないんですか?
今更という感じもしますが、おススメです。30数年のキャリアでオリジナル・アルバムは5枚、ベスト盤1枚という超寡作バンドです。
>SHM-CD仕様の国内盤って、通常盤に比べて、何でこんなに価格が高いのでしょう?
おっしゃるとおりですね。僕はSHM-CDは自分では所有していません。いつだったか友人に比較して聴かせてもらい、ほとんど「わからなかった」ので、これは意味がないと判断したからです。本当に業界の知られざる罠かもしれませんね(笑)。裏側情報を知りたいので、今度レコード会社に勤める友人に聞いてみます。
>クラシックでは、未だにメジャーレーベルの国内盤新譜CDが、通常仕様で¥3,000の価格設定があったりするのも解せません。
僕は単に日本のレコード会社の利益を守るための規制に過ぎないと思います(音盤愛好者には高くても日本語解説付がいいという方もいらっしゃるようですね)。
まぁ、僕はできるだけ輸入盤が出るのを待ちますが。

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岡本 浩和

>木曽のあばら屋様
こんばんは、ご無沙汰しております。
そうなんです、そろそろなんです!
>待ち遠しいですが、果たしてほんとに出るのかな・・・?
信じてます、僕は(笑)。

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雅之

おはようございます。
Bostonについて、ご教示ありがとうございます。Third Stage(1986年)くらいまでは一応付合いで(笑)聴いたことはあります(現在CDは所有していませんが)。あまり真剣に接しておりませんでしたので、この機会に今回ご紹介の盤を含め、勉強し直してみたいと思います。
ただ、おっしゃるように、今更という感はありますね(笑)。
ロックのジャンルについてはクラシックと違い、過去を懐かしむより、暇があれば、今の30代以下のバブル後世代の連中が共感し、大絶賛している、BECK(Jeff Beckではない)や、OASISを、一から研究してみたい気持ちのほうが強いのが正直なところです(こちらは何も知りませんので、逆に興味があります)。

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岡本 浩和

>雅之様
ですよね、当然3枚目くらいまではお聴きになっているんだろうなとは思ってました。今更ですが、それでもこの年になって新しい発見がいくつもあるのでぜひ!
>今の30代以下のバブル後世代の連中が共感し、大絶賛している、BECK(Jeff Beckではない)や、OASISを、一から研究してみたい気持ちのほうが強い
確かに!!僕もこのあたりは全く知りません。一から順番にアルバムを聴きながら研究してみたいですね。時間があれば、ですが・・・(笑)。

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ほんだぱん

こんばんわ。ちょっとびびっと来てしまいましたので、拙いですが初めてコメントさせていただきます。
>例えば仕事などで問題を抱えることが多い人は、得てして「家庭でのコミュニケーション」に問題がある場合が多いように経験上思う。家庭という土台があっての「人間力」だから。
弱輩ながら、私も同感です。
私の、「他者と関わっていく」人間としての弱点、問題点は家族との関係性によるところがかなり大きいと思っています。
生れ落ちて最初に触れ合う「他者」、それが家族ですよね。
無意識の領域にまで、家族というものが基本、土台となって、私という人間が歩いている気がします。
家族が私に発信して来たもの。
私が家族から受信したもの。
発信と受信のお互いに、問題や良さがあって、そういう要素が絡み合って、「今の私」の土台ができているんだなと思います。
自分という人間は一人なのに、一人では何者にもなれないような・・・。
そんなことが今は凄く興味深く、面白いと思っています。
奇しくも私が追いかけている演劇は「関係性の芸術」です。
因果だな~(笑)

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岡本 浩和

>ほんだぱん
初コメントありがとう。あと、先日は久しぶりに会えて良かったです。
そうそう、本当に「人間力」の原点は「家庭」にあると思うのです。
>私の、「他者と関わっていく」人間としての弱点、問題点は家族との関係性によるところがかなり大きいと思っています。
Welcome to my seminar!(笑)
なるべく早めに受講するといいと思います。手前味噌ながら、すべてが体感的によくわかると思うので。
>奇しくも私が追いかけている演劇は「関係性の芸術」です。
それは因果だ!

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