今秋、ついにボストンが35年ぶりに来日するらしい。ブラッド・デルプの不在が残念でならないが、ともかく狂喜乱舞。半年間、無事でありますように・・・(笑)。
春たけなわ。あまりの陽気に浮かれ気味。音楽を聴いても上の空。
ならば思考を止めてしまえということで・・・。
マリリン・ホーンによる”Somewhere”は切なく、美しい。
レナード・バーンスタイン一世一代の傑作。
There’s a place for us,
Somewhere a place for us.
Peace and quiet and open air
Wait for us
Somewhere.
途中、「行列と悪夢」のシーンで、トニーとマリアは引き裂かれ、現実世界に引き戻される。その後のカレーラス扮するトニーとテ・カナワ演じるマリアのデュエット。いつか、どこかで・・・と。現代の「ロメオとジュリエット」の、現世で結ばれることのない悲哀がこれほどまでに心に響くとは(よく知られるミュージカルとは別物として捉えないとがっかりするだろうが)。
バーンスタイン:
・ウェスト・サイド・ストーリー
キリ・テ・カナワ(マリア、ソプラノ)
ホセ・カレーラス(トニー、テノール)
タティアーナ・トロヤノス(アニタ、メゾ・ソプラノ)
カート・オルマン(リフ、バリトン)
マリリン・ホーン(歌手、アルト)
レナード・バーンスタイン指揮オーケストラ&コーラス(1984.9録音)
・映画「波止場」からの交響組曲
レナード・バーンスタイン指揮イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
1957年の、この有名なブロードウェイ・ミュージカルをオペラ仕立てにし、作曲者自らが棒を振った名盤(?)。あえてオペラ仕立てと言及するのは主人公にクラシック歌手を起用しているから。その意味ではおそらく賛否両論だろうが、バーンスタインの音楽を自作自演で聴くという点にそもそもの価値があるゆえ、スタイル云々はまったく問題にならない。何より音楽への愛情が横溢するのだから。もちろん映画のストーリーに照らし合わせた激しさや軽快さなどを求めればキリはない。ただ、そういうマイナス点を差し置いても、晩年のレニーが録音に踏み切ろうとした意義を汲み取り、カレーラスやテ・カナワを起用しようとした意味を大いに知り、受容せねば。
黙って繰り返し聴くが良い。
横柄な言い草になるが、レナード・バーンスタインの音楽を愛するならばこの音盤は決して避けては通れない、否、避けてはだめだ。
もちろん侮っても・・・。
とはいえ、ジャケット写真はどう見てもトニーとマリアに見えない(笑)。演劇的には完全にミス・キャスト。
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バーンスタインの自作自演は、交響曲全3曲、バレエ音楽「ファンシー・フリー」があります。第2番「不安の時代」ではピアノはルーカス・フォスです。この時期のフォスはかなり安定した時期だったと思います。それでも、グレン・グールドがコーネリア夫人を諦められずに電話をかけ続けてきました。結局、グレン・グールドはコーネリア夫人から離れていきましたね。
>畑山千恵子様
ルーカス・フォスとグールドの件については詳しくないのですが、いろいろと複雑にありそうですね。
[…] この作品を契機に、次なる「ウェスト・サイド物語」でバーンスタインの才能はいよいよ花開くことになる。レナード・バーンスタインに乾杯! […]