春雷、ブラームスの負け惜しみ?!

dvorak_rostro_karajan.jpg「こんなチェロ協奏曲が人間の手で書けるということを、私はどうして気がつかなかったのだろう?もし気がついていたら、とっくに私自身が書いていただろうに!」(~作曲家別名曲解説ライブラリー6-ドヴォルザーク)
ブラームスをしてそう言わしめた稀代の名チェロ協奏曲。メロディストの面目躍如たる名旋律の宝庫、第1楽章からフィナーレまで一部の隙もない完璧な音楽が奏でられる。初めて聴いたのはデュプレとバレンボイムによるLPレコードで。もう30年前になる。繰り返し擦り切れるほど聴いた。そのうちドヴォルザークの音楽そのものに多少の飽きを感じ、ほとんど耳にしない時期が続いたが・・・。

決して得意な作曲家とは言えないが、時にドヴォルザークの音楽を聴くと、妙に心躍る。それにしても前述のブラームスの言葉。気がついたら書けるものなんだろうか?(笑)少なくとも旋律を創造するという行為においてはドヴォルザークに一目置いていたブラームスだけに、ひょっとすると嫉妬半分の自己卑下的コメントなのかも・・・。世間が認める大作曲家といえども時には負け惜しみを言いたくなることもあるだろう。

2009年も4分の1が過ぎたことになる。もう少し春らしい暖かさの中で活動的に動き回りたい欲求に駆られるが、それにしても寒い。それに今頃には珍しく雷と稲光。桜の満開はいつになるんだろう・・・。

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調作品104
チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲作品33
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロ)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

この音盤のように何十年も現役盤として残っている音盤のひとつひとつをゆっくり丁寧に聴くとなるほど説得力があり、ひきこまれてしまう。ロストロポーヴィチの奏でる音には無駄がない。そして美しく力強い。力強さはともかく、その「無駄のなさ」が時に物足りなく感じるのは贅沢というものか・・・。僕は決してロストロの熱心な聴き手ではなかった。むしろ、あえて無視していたと言っても過言でないくらい代表盤といわれるもの以外聴いてこなかった。このドヴォコンも何度か再録音しているが、ゆえに所有しているのはこのカラヤンとの録音のみ(小澤とのものもジュリーニとのものもそもそも伴奏者に興味がないから無視し続けている。実際のところどうなんだろう?)。

ここしばらく、ブログでコメント投稿をするとエラー表示が出たり、更新にやたらと時間がかかっていた。コアサーバーという格安のものをレンタルしていたのだが、「安かろう悪かろう」なのか、調べてみるとサーバーの問題が大きいようなので、年度初めということもあり、サーバー移転作業をした(ということで、現在一時的に「ワークショップZERO」「旧アレグロ・コン・ブリオ」にアクセスできなくなっているが、今しばらくお待ちを)。とはいえ、現時点でサーバーにそれほどの予算は割けないのでどれくらい変るかは微妙といえば微妙。少しでも快適になるといいな・・・。


4 COMMENTS

雅之

こんばんは。
私もこの曲の、ロストロの弾いたCDで持っているのは、カラヤン盤だけです。しかしこれは大変な名演奏だと思う一方、立派過ぎて、もう少しドヴォルザークの持つ素朴さが欲しい気がします。別なタイプの演奏を聴きたくなる時が私も多く、そんな時は、シュタルケルの旧盤(ドラティ指揮)をよく取り出します。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1071194
国内外の有名チェリストの実演も、数多く聴きましたが、チェリストには体力の必要な曲だなあと、いつも思ってしまいます。そのくらい、皆大変そうですね。
なお、デュプレとバレンボイムによるLPレコードも懐かしいですね。CDで久しぶりに聴き直してみたいです。
※おまけコメント
ところで岡本さん、ここだけの話ですが、私は昨日、アルゲリッチがラジオ体操第一(服部正 作曲)と第二(團伊玖磨 作曲)を弾いているという、とんでもないプライベートCDを入手しました。
ライナーノーツによりますと、数年前、別府アルゲリッチ音楽祭で来日時、日本の十代の女性ピアニストが、若手演奏家の別府での練習合宿中、早朝にラジオ体操を弾いているのを、居合わせたアルゲリッチが耳にし、「面白い曲ね、私にも弾かせて!」と言って、楽譜を見て弾き出したとか・・・。アルゲリッチの演奏に合わせて、その場にいた若手演奏家全員が体操したらしいです!大受けで大好評だったとか!たまたまその時彼女が弾いたピアノには、ライヴレコーディングのためのマイクがセッティングしてあり、試し録りの最中だったので、偶然全曲録音出来てしまったとのことです。
それにしても、単なる陳腐な実用音楽も、彼女が弾くと、何と芸術性豊かな変奏曲に変貌することでしょう!驚きです!よもや、ラジオ体操の音楽で感動出来るとは思ってもみませんでした・・・・・・。
(今日は4月1日です)

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岡本 浩和

>雅之様
シュタルケルの旧盤は未聴ですが、面白そうですね。聴いてみようと思います。
>アルゲリッチがラジオ体操第一(服部正 作曲)と第二(團伊玖磨 作曲)を弾いているという、とんでもないプライベートCDを入手しました。
えーーーーー、そんなCDがあったとは?!
正直一瞬驚きました(笑)
いやぁ、聴いてみたいですね、真面目に・・・。途轍もない演奏になりそうです。

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Fumi

ドヴォルザークのチェロコンなら是非以下の2つを聴いて頂きたく思います!
ピーター・ウィスペルウェイ
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2614018
ミクローシュ・ペレーニ
http://www.hmv.co.jp/product/detail/84833
両者の音色は実に独特ですが(特にウィスペルウェイは左手の押さえが滅茶苦茶に強いです)一度聴いてしまうと他の演奏はもう聴けません。ペレーニはもう神の域にまで達した現代唯一のチェリストといっても過言ではないと思います。
自分もアルゲリッチの話最後の一文を読むまで信じちゃいました(笑)!

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岡本 浩和

>Fumi君
ご推薦ありがとう。両盤とも未聴なので聴いてみますよ。
確かにペレーニのは凄そうね。「神の域」とは!!
>自分もアルゲリッチの話最後の一文を読むまで信じちゃいました(笑)!
でしょ(笑)。

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