とにかく今日は暑い。夕方帰宅し、火照った身体を休めるために「田園」交響曲を聴くことにした。それも、長年愛聴しているブルーノ・ワルター&コロンビア響のものを聴き比べるという形で。
僕が所有している件の演奏は下記の通り。
①ジョン・マックルーアがプロデュースしたという最初期のCD。ただし、CBSソニーが1985年に初めてリリースした日本盤ではなく、MK42012という輸入盤
②ソニー・クラシカルがリリースした輸入盤SACD(SS6012)
③そして、今年になって発売された平林直哉氏制作のオリジナルLPの復刻盤(GS-2035)
全曲を聴き続ける体力も気力もなかったので、第4楽章と第5楽章をピックアップして聴いてみた。まずは①のマックルーア・プロデュース盤だが、当時のCDの音質から考えると随分健闘していると思う。しかしながら、②のSACD、③の平林盤と比較すると、音の鮮明さがもうひとつ。マスターテープの劣化なのか、曇ったような音像(もちろん聴き比べない限り、それほど気になるレベルではないように思うが)。次に、つい最近手に入れたSACD盤。圧倒的である。これほどの音質、音圧、鮮明さ、どこをどう切り取っても、Super Audio CDの音は画期的であり、驚くばかりの鮮度である。ともかく、音の厚み、生々しさがぴか一で、音そのものに「芯」があり、地に足が着いているという印象。ひとつひとつの楽器が浮き立ち、奏者の息遣い、その場の空気感まで感じとれる素晴らしい録音が、ワルターの至高の芸術を一層リアルに体感させてくれる。大袈裟な言い方だが、50年前の録音が、目の前で彼の演奏を聴くような錯覚に囚われるほどの蘇り方なのである。そして、最後に平林氏が制作したLP復刻盤。「最初期のLPはこれほどまでに瑞々しい音だった!」という触れ込みに感化されて買ってみたが、これはこれでアナログ的な音像が耳に優しい名復刻であると思う(先のSACDに比べるとやや鮮明さに欠けるように思うが、音の柔らかさという点ではこちらの方が上かもしれない)。ちなみに、このSACD盤は通常のCDプレーヤーでは再生不可能である。よってSACDプレーヤーをお持ちでない方には、このGS-2035がおススメである。もちろんSACDを再生できる環境にある方は、気分に合わせて聴く盤を変えてみるのもいいだろう。
いずれにせよ、僕はこのSACDがあれば十分だという結論に達した。ちなみに、しいて平林盤の長所を挙げるなら、「ベルリオーズの解説」の日本語訳が付けられていることかな(SACD盤は英仏独訳のみ)。
ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」
ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団(録音:1958.1.13,15,17)
①CBS Records MK42012
②SONY CLASSICAL SS6012(SACD)
③GRAND SLAM RECORDS GS-2035
友人のPicnic Weddingと称するパーティーに出席した。懐かしい面々と酒を酌み交わしながら談笑。前職を辞めてから下品になった(笑)と言われたが、まぁ、素は山奥のお猿さんみたいなものだからしょうがなかろう・・・。
パーティーの中で、新郎のお父様が手馴れたヴィブラフォンを披露してくれた。数年前に亡くなったお母様のピアノ演奏(映像付)とシンクロする「ラ・クンパルシータ」はほんとに素晴らしかった。その後、クラシックの名曲をジャズ風にアレンジして演奏するので、曲目を当ててくださいという懸賞付クイズが出題され、余裕だろうと意気込んだ。正直、全くわからない・・・。「何だ?」と考え込んでも、よくわからない。聴いたことはあるのだが、タイトルが出てこない・・・。結局、懸賞はある友人に持っていかれたのだが、その音楽は、ガブリエル・マリーの「金婚式」だった。あぁ、そういえば・・・。やられました。
もっと音楽の勉強をしなきゃ(笑)。
こんばんは。
やはりSACDが一番良いですか!
じつはご紹介の平林氏が制作したLP復刻CDのワルター「田園」、買ったものの、忙しくてまだ聴いてないんです。しかし、平林氏もSACDの素晴らしさをよく認識しておられるのですから、今回のLP復刻も、どうせやるならSACDで商品化していただきたかったですよね。
先日の6月24日のバリ・ガムランの話題の続きなんですが、
試しに、『Sacred Rhythm Of Bali: バリ ガムラン ミュージック: スロ-ライフへの誘い』というソフトのSACD版とCD版を買って比較試聴し、
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2726550
http://www.hmv.co.jp/product/detail/157535
100kHzの高域まで楽々カバーするSACDの効果のほどを確認してみようと考えております。でも本当は岡本さん所有の高級オーディオで比較したいところですが・・・。
なお、24日の岡本さんの、
>そう考えると赤ちゃんの能力は凄いですね。生音は静かに聴くのですが、CDの音だと駄々をこねる子が多いのです・・・。
というご感想についてですが、ピアノ・ソロでも20kHz以上の高域音強制カットや、「16bit・44.1kHz/秒」等、CDフォーマットについての何らかの影響はありそうですよね。ピアノ録音を聴いても、SACDの優位性を実感することは私の経験でも結構多いですから・・・。それに赤ちゃんは我々成人と比べて遥かに繊細・敏感な耳を持っているのではないでしょうか?
愛知とし子さんの「音浴じかん」は、物凄く意義のあることだと思っております。
※マリーの「金婚式」は、確か宇野先生お薦めの曲でもありますよね(笑)。
>雅之様
おはようございます。
圧倒的にSACDだと僕は思います。平林さんの復刻盤も大健闘だと思いますが・・・。僕は勉強不足で一般CDとSACDのフォーマットの相違点をあまりよく知らないのですが、100kHzの高域まで楽々カバーするということだけ考えても段違いでしょうね。
SACDと具体的に聴き比べてみてその効果がよくわかりました。SACDがいくつも欲しくなってしまいます(笑)。
ご紹介のガムランも面白そうですね。ぜひ比較視聴の結果をお知らせください。
>ピアノ・ソロでも20kHz以上の高域音強制カットや、「16bit・44.1kHz/秒」等、CDフォーマットについての何らかの影響はありそうですよね。
まさにそうだと思います。特に赤ちゃんは大人以上に五感が繊細だと思うので、様子を見ていてびっくりします。ちなみに、アナログ・レコードだとどういう反応になるでしょうかね?まだ実験していないので何ともいえませんが・・・。
>マリーの「金婚式」は、確か宇野先生お薦めの曲
そうそう、そうなんです!でもですね、こういう曲はもう何年も聴いていないので、咄嗟にタイトルが出てこなくなるのです。