一聴、ロバート・フリップの音楽だとわかる。
King Crimson解散後、かのグループの集合離散を幾度となく繰り返し、さらには様々なプロジェクトを興し、「音楽」の孤高の道を歩み続ける求道者。彼の口から発せられる言葉の一つ一つは極めて難解ではあるが、その音楽は時にアグレッシブであるものの、基本不思議な「癒し」に満ちている。彼自身が開発したフリッパートロニクスの音にそういう波動があるのかどうかはわからないが、「不思議」と感じるのは、音楽そのものが決して右脳的でなく、左脳的だから。
バッハの「半音階的幻想曲」からの編曲、そして「コントラプンクトゥス」(フーガの技法)の編曲。バッハの創作した傑作群がフリップ色に塗りたくられ、まったく別次元の音楽として再現される(良い意味でも悪い意味でも)。
このアルバムに収められている楽曲は、「コントラプンクトゥス」を除いてすべてライブ録音だというから驚きだ。恐ろしいまでのテクニックとアンサンブル。
The Robert Fripp String Quintet:The Bridge Between
Personnel
Robert Fripp(Guitar, Frippertronics)
Trey Gunn(Grand Stick)
The California Guitar Trio
今日は日差しが強い。これでこそ盛夏。昼時、所用で銀座まで足を運び、数年ぶりの知人と食事を共にする。世間はお盆休み。この時期は東京の人口が激減するのか、地下鉄も予想以上の空きようである。ここのところ、台風や地震など大自然からのメッセージが相次いでいるが、ひとりひとり反省すべきところは反省し、皆がひとつになることで「あるべき姿」に戻れるんだよとバッハの音楽も訴えかけてくるよう。フリップの音楽に触発され、少しばかり原曲も聴いてみるか・・・。暑さを吹き飛ばすのに、バッハの「フーガの技法」はよく似合う。ヘルムート・ヴァルヒャの弾くオルガンの音色は墨絵のようで、心も身体もすっきりと洗われる。
明日は、横浜で開催される高橋卓也「イギリス館夏の宵のコンサート」に愛知とし子が伴奏で出演するため帯同、その足で帰省する。その間、例によってブログの更新が滞る可能性があります・・・。あしからず。
おはようございます。
昨日、待ちに待った愛知とし子さんのCD、到着しました!、超うれしいです! 大切に聴きます。父の分もさっそく届けます。
私もこれから家族サービスで甲子園球場他、関西方面に向け出発します。
時間がないため、本文についてのコメントはまた後日ゆっくりと書き込みいたします。
岡本さんも、よい旅を!
おはようございます。
CD届きましたか!!ぜひご感想をよろしくお願いします。
>家族サービスで甲子園球場他、関西方面に向け出発します。
暑い中ご苦労様です。甲子園は僕も高校生のときに行って以来です。あのときは荒木大輔フィーバーでした。懐かしいです。
ロバート・フリップがバッハやバルトークの音楽から受けた影響は、多大なものだったのでしょうね。ご紹介のアルバムを聴いても、そのことを強く感じます。21世紀も、こういう熱い魂が聴くものにビンビン伝わるクラシック音楽の再創造の試みが増えてほしいですね。それにしても彼のギター・テクニックは超絶的ですね。
我々がクラシックを聴き始めたころ、バッハのオルガン曲といえばヴァルヒャでしたね。今彼の演奏をCDで聴いてもその精神の崇高さに圧倒され、畏敬の念でいっぱいになります。そしてこんな私でも、少しだけキリスト教的宗教心の尊さを理解した気にもなります。
>雅之様
こんばんは。
>21世紀も、こういう熱い魂が聴くものにビンビン伝わるクラシック音楽の再創造の試みが増えてほしいですね。
おっしゃるとおりです。こういう試みは重要ですね。
ヴァルヒャのバッハは本当に最高です。