銀座でのミーティングの後、月光荘画室こんぱる中室で開かれている財津昌樹と山口マオの「トイレで知る・考える」カレンダー展にお邪魔した。財津さんは知る人ぞ知るいわゆるグリーンコンシューマーで、彼が20年近くに亘って制作し続けているカレンダーは「環境問題」に一石を投じる含蓄に富んだ言葉にいつも溢れている。このカレンダー、拙宅では指示通りトイレにかけてある。2009年のものは以前もブログで採り上げたように天晴れと唸るようなフレーズに毎月のように彩られている。2010年度のものも絶品。おススメです。
ちなみに、氏が制作するポスターのキャッチコピーがこれまた意味深い。なるほど、である。
「エゴイスト菌」
想像力が欠落した人に感染しやすく、肉体に苦痛をともなわないために本人が感染していることに気付かないでいる場合が多い。
日本人100人のうち99人がこの菌に冒されている
・症状:環境破壊
「イジメ菌」
地上の生き物の中で人間だけにあり。人の痛みや苦しみを想像できない人に繁殖しやすく、自分より弱いものしか相手にできない卑怯な特性を持つ。
・治療法:親を取りかえる。先生を取りかえる。
「進歩」という名の暴力。
ところで、音楽は人の想像力、創造力を飛躍的に向上させる「薬」である。できれば「生」がよい。しかしながら、実演に触れ得なかったとしても、名演奏を追想し、その時代の空気を追体験することで圧倒的感動を与えてもらえるという希少な記録も時に存在する。それはクラシック音楽でも、ロック音楽でも、あるいはジャズ・ミュージックでも、どんなジャンルにおいても変わりない。
Personnel
John Coltrane(ts)
Eric Dolphy(bcl)
McCoy Tyner(p)
Reggie Workman(b)
Jimmy Garrison(b)
Elvin Jones(ds)
1961年11月3日、Village Vanguardで収録された1曲目のIndiaと3曲目の標題曲。その数年後に36歳の若さで病没するエリック・ドルフィーのバス・クラリネットとコルトレーンのテナー・サックスの掛け合いが聴きどころ。音量を上げ、黙ってその音色に耳を傾ける。とにかく眼前でリアルに演奏されているかのような生々しさ。Indiaでは、ドルフィーのバス・クラリネットが時折象の鳴き声のような音色を醸す。
その時の音が記録された音盤といえど、その時の空気感までは確かに拾えない。実際にその場にいた人にしか感じられない「何か」がある。
When you hear music, after it’s over, it’s gone in the air. You can never capture it again.
「音楽を聴き、終った後、それは空中に消えてしまい、二度と捕まえることはできない」
エリック・ドルフィー
おはようございます。
「環境問題」について思い付くままに・・・。
我々21世紀の現代人は、例えばブラームスなど19世紀の人たちと比べて、一人あたりの年間エネルギー消費量や二酸化炭素排出量が、平均で十数倍~二十倍以上にもなると言われています。だからって、自然には存在しない高レベル放射性廃棄物を日々大量に生成する原子力に頼るのは、もっとも人類の愚かな行為だと思っています。
オーディオ・マニアって、よく、今度導入したケーブルの銅の純度が5Nだ、6Nだなどと、プラシボ効果としか私には思えない論争で盛り上がっていますが、そんなに細かいことを気にするのなら、気圧、湿度、二酸化炭素濃度、温度などの変化による、音の伝わり方への影響についてはどう考えているんですかねぇ?、いつも不思議です。
高地と低地とか、気象などの条件で気圧が変われば、音の伝わり方も変わります。富士山頂と東京湾では、音の伝わり方は違っていて当然です。
空気の組成が変わっても、音の伝わり方は変化します。極端な話、ヘリウム100%の空気を満たしたホールでコンサートを開いたらどうでしょう? 湿度や二酸化炭素の増減でも、音の伝わり方は微妙に変化するはずです。
ご紹介のCD、1961年11月3日、私が母親のお腹の中にいた時(8カ月ごろ)の録音で、昔から何故か意識している音盤のひとつです(笑)。長いこと聴いておりませんが・・・。しかし、演奏当時と今とでは、空気中の平均二酸化炭素濃度が変化しています。
http://www.jccca.org/content/view/1034/775/
我々の「時代の空気」も変わりました。当時とは、違う音楽の伝わり方なのかも・・・(笑)。
そして、その空気は、美しい音楽も伝えれば、台風・竜巻・突風にも豹変します。
人類に「エゴイスト菌」「イジメ菌」が蔓延していようが、「進歩」という名の暴力が山を切り開き草木を蹂躙して種の絶滅が爆発的に増えようが、二酸化炭素や高レベル放射性廃棄物が増えようが、人類が滅亡しようが、今日も地球は回っていて、人為的であろうとなかろうと、全てが「自然の思し召し」に過ぎないのです。
>雅之様
おはようございます。
すべておっしゃるとおりですね。さすがに雅之さんはいつもいろんな角度から考えておられ感心します。
>我々の「時代の空気」も変わりました。当時とは、違う音楽の伝わり方なのかも・・・(笑)。
確かにそうですね。違うかもしれません。
>今日も地球は回っていて、人為的であろうとなかろうと、全てが「自然の思し召し」に過ぎないのです。
まさに!