The Singers Unlimited

christmas_singers_unlimited.jpg寒い。富士五湖など山間部ではおそらくこの調子だと雪だろうと思われるような天候だ。前職では西湖のほとりに研修施設があったものだから、毎週金曜日の夜は中央道を抜けて車で河口湖方面に旅をしていたことを思い出す。夏の出張は気分転換にもなり楽しいのだが、冬の山梨行きは時に厳しかった。確か1994年の1月だったと記憶するが、その時も大変な積雪で(おそらく一晩で1メートルは積もったのではなかったか)、路肩でのチェーンの着脱でも相当時間を要し、通常なら1時間半の道程にもかかわらず、その時はゆうに8時間くらいかかった。金曜日の21時頃東京を出て、確か西湖に到着したのは朝の8時だったと思う。さすがにすぐに研修スタートというわけにもいかず、受講生の了承を得て(ほとんどの学生が定刻に到着できなかったと思う)、多少の仮眠をとり、午後から講義を始めた。今になっては良い思い出だ。

ところで、もうすぐクリスマスである。この歳になるとクリスマスだからといって何か特別な変化があるわけでもないのでどうでもいいのだが、子どもの頃はやっぱり楽しみだった。いや、子どもでなくても20代の頃はまだまだクリスマス・イベントに何かしら淡い期待ももっていた。懐かしい。

20年以上前に購入したシンガーズ・アンリミテッドの「クリスマス・アルバム」。おそらく定番になっているのだろう、いまだにCDショップを覗くと、この時期にはこのアルバムが面陳で飾られているのをよく見かける。明後日の「音浴じかん」の開場時のBGMとして何か相応しい音源はないものかと棚を漁っていて発見した。久しぶりに耳にしてみるとこれが実に良い。クリスマスには少々早いが、冷たい風雨が降り注ぐ今日のような日(実際に関東地方では低温警戒情報が発令されたらしい)に、暖房の入った部屋で静かにアカペラの世界に浸るのも乙なものだろう。

The Singers Unlimited:Christmas

Personnel
Gene Puerling
Don Shelton
Len Dresslar
Bonnie Herman

何だろうなぁ、この不思議な雰囲気は・・・。闇の中に差す一条の光にも似た「希望」、そして「こうあるべきなんだ!」という確固とした自信。そういうエネルギーに満ち溢れた響き。それに何より耳にも心にも「優しい」。そう、まさに癒しであり、クリスマス賛歌なのである。シンガーズ・アンリミテッドは基本的に多重録音によりアンサンブルを築き上げているグループだからライブ活動は行わなかった。実質10年ほどの活動期間で15枚のアルバムを制作し、当時は相当の人気を博したようだが、僕の場合、残念ながらオンタイムでは聴けなかった。

※昨晩散歩した表参道の12年ぶりのイルミネーションは綺麗だった・・・。


2 COMMENTS

雅之

おはようございます。
いいですね! シンガーズ・アンリミテッドの「クリスマス・アルバム」、定番中の定番、野暮なコメントの必要もないですね(笑)。家族や友人、みんなで楽しみたいCDですね。
>そういうエネルギーに満ち溢れた響き。それに何より耳にも心にも「優しい」。そう、まさに癒しであり、クリスマス賛歌なのである。
同感です。
クラシック・ファンやオーディオ・マニアの間では、「カンターテ・ドミノ」
http://www.amazon.co.jp/Cantate-Domino-Hybrid-SACD-Adolphe/dp/B0000E64YT/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=music&qid=1260567122&sr=1-1
も定盤ですよね。私もLP時代、「古代ギリシャの音楽」などと並んで、音の良さに、友人と驚嘆していたものでした。このSACD版も最高音質ですよ。
ところで、聖書の話題の続きを・・・。通勤途中、コテコテ大阪弁訳「聖書」 (ナニワ 太郎 & 大阪弁訳聖書推進委員会 翻訳  データハウス)
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B3%E3%83%86%E3%82%B3%E3%83%86%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%BC%81%E8%A8%B3%E3%80%8C%E8%81%96%E6%9B%B8%E3%80%8D%E6%84%9B%E8%94%B5%E7%89%88-%E3%83%8A%E3%83%8B%E3%83%AF-%E5%A4%AA%E9%83%8E/dp/4887187556/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1260568265&sr=8-1
を読了しました。「マタイによる福音書」の忠実な大阪弁訳なのですが、これが滅法面白い!、堪らんです。腹を抱えて笑いながら、堅苦しい聖書の世界に、信じられないくらい自然に親しむことができました。と同時に、方言の持つ生命力に驚き、先日のヘブライ語の話題とともに、翻訳とは何かということを考えさせられました。この本は一読をお薦めします。
※《例》
・・・・・・イエスはんは言わはった。
「はっきり言うとかんとな。あんたは今夜、鶏が鳴きよる前に、三度も、わてのことなんか知りまへんと言うで」
ペトロはんは、「そんなアホなことおまっかいな。たとえ一緒に死ぬようなことになってもでっせ、わてがあんたはんのことを、知らへんなんて言うはずがおまっかいな」と言うた。
ほいで、他のお弟子はんらも、みんなでおんなじように言うたんやと。・・・・・・「ペトロはんの離反予言の巻」より
本一冊、万事この調子です。

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
「カンターテ・ドミノ」、何を隠そう僕は未聴です。なるほどそんなに音が良いですか。聴いてみます。
コテコテ大阪弁訳「聖書」も面白そうですね。
>方言の持つ生命力に驚き、先日のヘブライ語の話題とともに、翻訳とは何かということを考えさせられました。
まさに「言霊」ですよね。同じ日本語でも標準語と関西弁では「ニュアンス」が微妙に違いますから。まさに翻訳の難しさ、ここにありという感じです。
 

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